◇反対5割/わからない4割 「生活に直結 関心もって」

 与党が今国会で成立を目指す特定秘密保護法案。市民に賛成か反対かを聞く街頭シール投票を、京田辺市の市民グループが21日、同市三山木のJR同志社前駅前周辺で実施した。午後2時過ぎからの約1時間半で230人が投票し、賛成19人(8%)、反対121人(53%)、「わからない」が90人(39%)だった。

 「秘密保護法 賛成?反対?全国投票」として、大学教授や弁護士らで構成する「秘密保護法全国投票の会」が呼びかけ、10月から全国各地で様々な団体が取り組んでいる。「母親として子の将来に不安がある」と感じていた同市在住の松本みぎわさん(37)らが4人で「いのちを守る会・京田辺」をつくり、行動することにした。

 趣旨に賛同した人も含め8人が駅前に立った。「賛成」「わからない」「反対」と区分されたボードを掲げ、行き交う人にシール投票を呼びかけた。同志社大、同志社女子大に向かう歩道だけに大半が学生だ。

 東日本大震災の直後に東京から府内に引っ越してきたという松本さん。「わからない」が多かったのは予想通りとしながら、「この法律は生活に直結する怖い内容。原発のことも、税金の使われ方も内容次第で秘密になる。市民にはもっと関心を持って行方を見守ってほしい」と話した。

 投票結果は全国投票の会に報告され、全国集計される。松本さんは週末にも京田辺市内でシール投票ができないか検討しているという。

◇京都市で22~24日、デモや講演会

 京都市で特定秘密保護法案に反対する街頭演説や集会が開かれる。

 1986年、1万2千人以上の府民が「国家秘密法案」反対を訴えて地元新聞に署名入り意見広告を出した際に事務局を務めた協同組合役員の富田秀信さん(62)=京都市=は、24日午後1時から中京区の京都弁護士会館である特定秘密保護法案の問題点を考える市民団体主催の講演会に参加する。

 86年は、タレントや出版社社長、作家らが呼びかけ人に名を連ね、予想を大きく上回る署名が寄せられた。今回の特定秘密保護法案には、「メディアだけの問題と思っている人が多いのではないか」と関心の低さにもどかしさも感じている。

 こうした講演会などの場で、当時の広告を披露し、市民の力で成立を阻止できると訴え、「我も我もと署名が集まった」当時の熱気を伝えたいと言う。

 このほか、22日午後6時半から、労働組合の京都総評や市民団体でつくる実行委員会が、市役所前で街頭演説し、デモ行進する。問い合わせは京都総評(075・801・2308)。

 23日午後6時半からは中京区竹屋町通烏丸東入のハートピア京都で、京都憲法会議などが催す「憲法記念 秋のつどい」があり、法案反対のアピールを採択する予定だ。問い合わせは京都第一法律事務所(075・211・4411)へ。