【武田肇】あからさまな差別表現で在日韓国・朝鮮人らを攻撃し、憎しみをあおるヘイトスピーチ。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の街頭宣伝を「人種差別」として高額賠償を命じた10月の京都地裁判決後も排外主義的なデモは続く。判決は何を問いかけたのか。様々な現場を訪ねて考えた。

 観光客でにぎわう連休の京都・四条河原町。京都地裁判決を糾弾する「偏向判決を許すな! 倍返しデモ」が今月4日、あった。

 呼びかけたのは在特会と「目標は同じ」という市民団体「現代撫子倶楽部(なでしこくらぶ)」。日の丸や旭日(きょくじつ)旗を手に、約50人が「言論封殺反対」「裁判官を許さないぞ」と気勢を上げた。

 京都市南区にあった京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)は以前、運動場がなく、隣接する児童公園で体育の授業などをしていた。在特会側がこれに抗議活動を展開したことが裁判のきっかけだ。