【木村聡史】日本政府観光局は20日、今年日本を訪れた外国人が10月末時点で約866万人になり、過去最高だった2010年の年間861万人を超えたと発表した。富裕層が増えつつある東南アジアからの観光客が伸びたほか、尖閣問題で落ち込んでいた中国からの団体旅行も回復したという。

 人数を毎月発表している18カ国・地域のうち、台湾や香港、タイ、マレーシアなど9カ国・地域で、10月末時点の訪日客が過去最高を記録。10月は前年同月より31・5%多い92万9千人(推計値)が訪日し、月別の過去最高を9カ月連続で更新した。中国、ベトナム、フランスなどが10月としては過去最高だった。

 円安で割安感が出ていることに加え、タイやマレーシアは7月に訪日のためのビザを免除した効果も大きい。ただ、訪日客全体の4分の1を占める韓国は反日感情の高まりや福島第一原発の汚染水漏れの影響で、1年8カ月ぶりに前年同月割れした。

 政府は年間の訪日外国人1千万人を目標に掲げており、今のペースが続けば達成できる見込みという。