このところ韓半島(朝鮮半島)を取り巻く米国、中国、日本の角逐が明らかに激しくなってきているが、この状況について韓国の外交・安全保障の専門家は「3角圧迫、3角の波が押し寄せる状況だ」という言葉で説明している。3カ国がそれぞれの利害関係に基づいてさまざまな戦略を駆使し、その結果、重大な変化が徐々に近づいているのだ。
まず米国は、韓国がすでに不参加を宣言した米日主導のミサイル防衛(MD)システムへの参加を今もなお要求している。この問題についてはヘーゲル国防長官やデンプシー合同参謀議長に加え、19日(米国時間)には匿名を要求したある米国政府高官も言及した。米国は戦時作戦統制権移管時期の再延期と、MDへの参加を関係付けるような言動をもちらつかせているが、韓国としては中国を刺激したくない上、費用面での負担も重荷だ。
韓米日協力の弱点である韓日関係の改善も課題だ。米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で研究員を務めるビクター・チャ氏(元米国家安全保障会議アジア担当局長)は14日、ニューヨーク・タイムズ紙を通じ「韓国の有権者のうち、歴史問題や領土問題を投票の基準としているのはわずか8%」という世論調査の結果を引き合いに出し「韓国の政治家は、一般大衆の反感があるので日本との関係改善は難しいと言い訳しているが、この言い分は(統計から見れば)誤っている」「米国は彼ら(韓国の政治家)がこのような言い訳をできなくなるよう、圧力を加えなければならない」と主張した。
日本は「新米日同盟」とも呼ばれる現在の米国との蜜月関係を背景に、再武装の道へと突き進み始めた。集団的自衛権の行使や北東アジアにおける軍事的役割の拡大については、すでに米国の同意も得ており、しかも日本政府は集団的自衛権行使の対象として、韓半島(朝鮮半島)の有事も想定している。また日本版国家安全保障会議(NSC)の新設により、国による安全保障の概念を「自衛」から「集団防衛」へと拡大した。
中国の習近平国家主席は先月24日と25日に開催された「周辺外交工作座談会」において「中国と周辺国との関係に大きな変化が生じている」と発言した。中国は今月12日、NSCに相当する国家安全委員会を新たに立ち上げる方針を表明し、また17日夜には中国人民解放軍が海を越えて対岸に上陸する夜間の実戦訓練を初めて行った。この訓練には陸海空軍から5000人が動員され、しかも訓練が行われたのは北朝鮮と隣接する渤海湾だった。韓国国内ではこの訓練について「北朝鮮の急変事態に備えるため」とする声も少なくない。