サムスンはスマホで世界最大のシェアを誇る。しかし、日本市場では存在感が薄れつつある。調査会社BCNがまとめた携帯電話売れ筋ランキングをみると、米アップルのiPhone(アイフォーン)が1位から10位を独占。11〜20位をみると、ソニーやシャープ、パナソニックの製品も出てくるが、サムスン製品は最上位でも24位にとどまっている。
中国など新興国市場で、アップルより低価格のスマホを投入してシェアを伸ばしたサムスンに攻勢をかけているのが中国のスマホメーカーだ。「中国のアップル」と異名を取る「小米(シャオミ)」や、「魅族(メイズ)」などが急成長しているのだ。
新興市場でのシェア争いのために、50ドルの超低価格スマホを開発しているという報道もある。ただ、スマホ市場の飽和感が広がりつつあるなか、安値競争にのめり込めば、勝者不在となった薄型テレビ市場の二の舞になる恐れもある。
サムスンもスマホに代わる新たな収益源を模索しているが、これが心もとない。9月には腕時計型の携帯端末「ギャラクシーギア」を発売したが、米メディアは「量販店での返品率が30%」「これまで売れたのは5万台だけ」と報じた。連携する端末の少なさやバッテリーの持ち時間の短さなどが問題だと指摘している。
今月19日になって、サムスンが「世界58カ国で80万台を販売した」と明かしたが、これは小売業者などへの出荷台数のことだったことが判明している。米ウォールストリート・ジャーナル紙は「失敗の文字が頭をよぎる」と指摘した。