2013.11.23 05:03(3/3ページ)

虎めでたい!新守護神・呉昇桓&4番・ゴメスW誕生

阪神が獲得した韓国プロ野球で通算277セーブの歴代最多記録を持つ呉昇桓

阪神が獲得した韓国プロ野球で通算277セーブの歴代最多記録を持つ呉昇桓【拡大】

 呉は海外FA権を保有しないため、所属球団サムスンの承認とトレードマネーも必要となる。移籍金の基準もなく、条件面で折り合いがつかなかった。当初は、呉からの返答期限を15日としたが、サムスンのアジア・シリーズ進出もあり、交渉日程も延期。南球団社長は「期限や資金には限界がある」と話すなど、最悪の場合も想定。米球界から他のストッパー候補のリストアップまで検討した。紆余曲折を経て、ついにこの日が来た。

 神戸市内で、テレビ出演した和田監督は「1年間苦労したポジションなんで、そこをしっかりと埋めてくれることを期待している」と力を込めた。8年連続V逸となった今季は、大リーグ、カブスにFAで移籍した藤川球児の後釜を固定できなかった。韓国No.1守護神の入団で、指揮官の悩みは解消された。呉の背番号は、その藤川が背負った「22」が有力だ。

 打線の軸と期待されるマウロ・ゴメス内野手(ナショナルズ)との契約完了と相次いで転がり込んできたホットなニュース。来季が3年契約の3年目となる和田監督だが、呉&ゴメスの獲得で土台は固まった。2014年、猛虎の9年ぶりのVへの気運が一気に高まった。

★阪神のストッパー事情

 退団した藤川に代わって守護神に指名されたのは久保だった。だが、調子を落として5月下旬に2軍降格。8月に再昇格するも中継ぎでの起用がほとんどだった。その後は安藤、加藤らが日替りでストッパーを務めた。夏場になって福原を固定したが、来年は38歳のシーズンとなる。守護神候補の最右翼として呉昇桓の獲得を目指していた。

呉昇桓(オ・スンファン)

 投手。1982年7月15日、韓国生まれの31歳。2004年サムスンに入団。1年目から抑えとして活躍し、韓国シリーズMVP。08年北京五輪韓国代表、06年、09年、13年とWBC韓国代表に選出された。今季48試合登板、4勝1敗28S、防御率1・74。通算444試合登板、28勝13敗277S、防御率1・69。1メートル78、92キロ、右投げ右打ち。今季5億5000万ウォン(約5043万円)、背番号「21」

(紙面から)