秘密保護法案:沖縄米軍基地跡地「枯れ葉剤」秘密扱い懸念

毎日新聞 2013年11月23日 09時41分(最終更新 11月23日 11時13分)

ドラム缶の発見場所
ドラム缶の発見場所

 「新たな返還の時『外交や防衛に関わる』として汚染の情報が特定秘密に指定されないでしょうか。そうなれば、環境や住民の健康に関わることなのに、検証の道が閉ざされてしまう」

 防衛局の三沢大輔・返還対策課長は「そうした報告書類を秘密にする方向では検討していない」と話すが、河村さんの不安は残る。「政府と敵対したいわけではない。情報を共有し、よりよい方向を目指したいのに秘密保護法案はその気をそがせる仕組みだと思う」

 特定秘密保護法案は特定秘密の指定分野として(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動(スパイなど)防止(4)テロ防止−−を挙げている。

 ◇沖縄市のダイオキシン問題

 米軍基地跡地の市サッカー場で今年6月13日、地中から複数のドラム缶が見つかった。一部にはベトナム戦争中に米軍が散布した「枯れ葉剤」を製造していた米企業「ダウ・ケミカル」の文字があり、付着物から国の環境基準値を超えるダイオキシン類が検出された。枯れ葉剤が散布された地域では、多くの奇形児が生まれたと指摘されている。ダイオキシンが主な原因とされ、障害は中枢神経系、循環器官系など多岐にわたる。

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