国会:民主・大島氏「与党がいないじゃないか!」 論戦空洞化
2013年11月21日
◇民主・大島氏「与党がいないじゃないか!」
終盤に入った臨時国会は、特定秘密保護法案の修正をめぐる政党間協議に主舞台を奪われ、肝心の国会論戦がたるんでいる。20日午前の衆院国家安全保障特別委員会は、その最たるものだった。民主党の長島昭久氏の質問時間。空席の目立つ与党席を目の当たりにした民主党の大島敦氏が怒声を発した。
「これだけの重要法案なのに与党がいないじゃないか!」
この日、自民党は税調などの日程が重なり、同委員会の委員らは中座を連発した。みんなの党との修正協議がまとまり、同法案の成立に自信を深めた自民党の慢心と言われても仕方のない状況だった。
「与党の姿勢が問われる」。長島氏の発言を契機に同委員会は紛糾。民主党議員らは一時、自らも退席して同委員会を流会させる戦術まで考えた。民主党が席を立てば定足数(委員会を有効に開くための出席数)を割り込むからだ。最終的に民主党は矛を収めたが、与党の緩みは参院国家安全保障特別委にも伝染した。政府参考人として呼ばれていた鈴木良之内閣審議官が午後1時の開会時間に遅刻したのだ。
「委員会の審議進行に大変な迷惑をかけたことを政府を代表し、心からおわび申し上げる次第だ」。菅義偉(すがよしひで)官房長官は深々と頭を下げた。
同日夕、東京・JR新橋駅前。対案をまとめて野党の面目を施した民主党の海江田万里代表らが街頭演説に立った。
「国民の知る権利、報道の自由が侵される恐れがある。私たちはただ反対するだけじゃなく、(対案を示し)これでなければいけないとはっきり言ってまいる」。寒空の下、海江田氏の熱弁に20人ほどが立ち止まって耳を傾けた。