教科書問題:下村文科相、沖縄県教委を批判

毎日新聞 2013年11月22日 19時40分(最終更新 11月22日 22時38分)

 沖縄県竹富町の教科書採択を巡る文部科学省の是正要求を県教育委員会が先送りした問題で、下村博文文科相は22日の記者会見で、「県教委は法律上の義務を負っており、大変遺憾」と述べ、県教委の担当者を呼んで指導する考えを明らかにした。これに対し、県教委総務課は「連絡があれば日程調整して対応したい」と述べた。

 文科相は、国の指示に不服があれば30日以内に国地方係争処理委員会に申し立てができることにも言及。「それもせずに是正要求しないのであれば行政機関としてあるまじきこと」と批判した。

 町教委は、周辺2市町とつくる八重山採択地区協議会が答申した保守色の強い育鵬(いくほう)社版の公民教科書を拒否。東京書籍版を使っており、文科省は先月、地方自治法に基づき県教委に是正要求するよう指示した。県教委が従わなかった場合、町教委に直接是正を求めることも検討している。

 町教委は地方教育行政法に基づき「採択権は市町村にある」と主張。竹盛洋一教育委員は「町の方針が変わることはないが、県教委がどう対応するか見守りたい」としている。【福田隆、井本義親】

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