汚染木材:放射性セシウム、滋賀県の4倍検出 NPO測定
毎日新聞 2013年11月20日 15時00分
ただ、環境省が3月に示した放射能濃度測定のガイドラインには、木材チップの測定に関する基準がない。そのため、滋賀県廃棄物監視取締対策室は「ありのままを測るべきと考えた」と説明する。
一方、放射能測定に詳しい塚田祥文・福島大特命教授(環境放射生態学)は「水分を大量に含むと1キロ当たりの値が下がるため含水率が変わりやすいチップなどは風乾(自然乾燥)後に測るのが一般的。被災地のがれきなどはそのまま測ることもあるが、行政が影響を正しく住民に伝えることが目的なら、常識的な測定で濃度を公表すべきだ」との考えだ。
放射性物質汚染対処特別措置法は、被災地から離れた場所に放置された汚染物質を想定しておらず、木材チップの放射性セシウムの汚染濃度が8000ベクレルを超えたことが確認されれば、今後、国との協議も必要になる。測定したNPO法人の石田紀郎代表は「住民の不安を解消するには正確な再測定を直ちに行うべきだ」と指摘している。【千葉紀和】
【ことば】指定廃棄物
東京電力福島第1原発事故で発生した、1キロ当たり8000ベクレル超の放射性セシウムを含む焼却灰や汚泥などの廃棄物。放射性物質汚染対処特別措置法に基づき環境相が指定し、国が責任を持って発生した都道府県内で処分するのが基本方針。今年8月末現在、11都県で計13万2738トンに上り、各地で処分場不足が問題化している。