光州挺身隊訴訟:原告ら初来日 名古屋で協議呼びかけ
毎日新聞 2013年11月19日 01時46分
戦時中に名古屋市の三菱重工業で強制的に働かされたとして、韓国人女性らが同社を相手取った損害賠償請求訴訟で、韓国の光州地裁が同社に賠償を命じた判決を受け、原告と支援者らが18日、名古屋市千種区で集会を開いた。韓国で日本企業に賠償を命じる判決が7月から3件相次いだ後、原告が来日したのは初めてで、集会では「強制労働被害者の尊厳を回復する包括的な基金創設」に向けて協議するよう日韓両政府と関連企業に勧告する共同声明を採択した。
元勤労挺身(ていしん)隊の梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(82)と、妻と妹が隊員だった金中坤(キム・チュンゴン)さん(89)の原告2人が来日し、日本側は支援者ら約100人が出席した。梁さんは「三菱に良心があるなら謝罪し、きちんと解決してほしい」と訴えた。共同声明は基金創設のほか、三菱に対し、謝罪と即時賠償も求めた。さらに、声明は、日韓のこれまでの裁判所が示した判断に対し「個人請求権は存在する」と主張した。
同訴訟で三菱重工業は「1965年の日韓請求権協定で個人請求権は消滅した」と主張したが、光州地裁は今月1日、原告5人に計6億8000万ウォン(約6300万円)の支払いを命じた。三菱側は18日、判決を不服として光州高裁に控訴した。【花岡洋二】