秘密保護法案:維新も与党と修正合意…主要論点で譲歩

毎日新聞 2013年11月21日 00時05分(最終更新 11月21日 01時10分)

 自民、公明両党と日本維新の会は20日、国家機密を漏えいした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案について、特定秘密の指定期間を「最長60年」とし7項目の例外を設ける▽特定秘密を指定できる省庁を政令で絞り込める条項を加える−−などの修正案で合意した。特定秘密の全面公開や秘密を指定できる省庁の限定を求めた維新側が譲歩した形だ。修正案はみんなの党も了承しており、同法案を審議中の衆院国家安全保障特別委員会は同日、野党が要求した地方公聴会を25日に福島市で開くことを決定。与党は26日に法案を衆院通過させる方針だ。

 維新は指定権限を持つ省庁について内閣官房、外務省、防衛省に限定するよう要求したが、与党は省庁限定を見送った。その上で▽条文に「首相が有識者会議の意見を聞いて、政令で定める行政機関はその限りではない」とのただし書きを加える▽付則では施行後5年間で特定秘密を保有しない機関は指定権限を失うことも盛り込む−−ことで合意した。だが、省庁が指定権限を自ら放棄する可能性は少ないとみられ、将来的な省庁の絞り込みにつながるかどうかは不透明だ。

 また、維新側は60年を超えても公開されない例外7項目の絞り込みを求めていた。だが、最終的に(1)武器・弾薬・航空機その他の防衛情報(2)現に行われている外国政府または国際機関との交渉に不利益を及ぼす情報(3)情報収集活動の手法またはその能力(4)人的情報源(情報の提供者)に関する情報(5)暗号(6)外国政府や国際機関から60年を超えて指定を求められた情報(7)これらに準ずる政令で定める情報−−との7項目で合意。与党案が大筋で維持され、押し切られた格好となった。

 また維新は、法案が国内の治安維持に乱用される事態を防ぐためとして、法案の目的である「安全保障」を「国家安全保障」と改めるよう要求。「安全保障(我が国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう)」との表現となった。国内の治安維持を対象から除外する狙い。このほか与党と維新は第三者機関の設置検討を付則で盛り込むことでも合意している。【小山由宇、阿部亮介】

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