サムスンは日本などの電機メーカーと合弁企業を作ったり、技術者を引き抜くなどして技術を吸収し、先行する企業を追い抜く「二番手商法」によって世界でシェアを伸ばしてきた。もっとも、先頭に立って市場を開拓するのは得意ではないようだ。
スマホへの依存度が高いという弱点を抱えるサムスンだが、韓国経済全体も、そのサムスンの業績によってかさ上げされているという構造的欠陥を抱えている。
アジア経済に詳しい企業文化研究所理事長の勝又壽良氏は「サムスン電子の“1強多弱”という状況は、韓国経済の底の浅さを示している。サムスン電子の業績に陰りが出てきたら、韓国経済にどのような影響を及ぼすかは明白だ」と語る。
韓国政府は本来なら経済の活性化につながる対策を急ぐべきだが、「朴大統領は日本批判に意気軒高なだけで、国内企業の業績不振にはとんと目を向けずに“わが道”を驀進(ばくしん)している」と勝又氏は指摘する。そして失速が懸念される中国への依存度を高めているのだ。
デジタル家電市場は栄枯盛衰が激しい。スマホでサムスンがつまずけば、韓国経済も崩壊してしまいかねない。