警察による違法な暴行や身体拘束があったとして、静岡地裁(村山浩昭裁判官)は22日、覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた静岡市駿河区の男性(52)に無罪判決を言い渡した。男性は公判で覚醒剤を使用したことを認めたが、弁護側は違法な捜査があったと主張していた。

 判決によると、静岡県警静岡南署員は昨年9月1日、逮捕状がないのに男性の内妻宅に入り、チェーンカッターで男性の頭を殴った。男性は頭などから出血し、「病院に行きたい。弁護士に連絡を取ってほしい」と訴えたが、署員は取調室に男性をとどめ、弁護士に連絡を取らなかったと認定。村山裁判官は「違法な身柄拘束で採取した尿などは証拠として認められない」と述べた。

 男性の弁護人は「画期的な判決だ。今後、国家賠償請求をするかどうか男性と相談して決めたい」と話した。起訴状によると、男性は昨年8月22日~9月1日、県内などで覚醒剤入りの水溶液を自分に注射して使用したとされていた。