那覇市情報公開訴訟の主役となった対潜水艦戦作戦センター(ASWOC)。実は建物自体は、那覇基地の外からも見える。今回、本紙は建物外観の撮影を海上自衛隊に申し込んだが、「場所を知らせることで第三国に狙われる可能性がある」として、27日までに許可は出ていない。
地下にセンターがある建物は沖縄都市モノレールの車中から見渡せるほか、外観写真は第5航空群のホームページにも掲載されている。さらに、1995年には本紙カメラマンも許可を得た上で撮影している。
今回、あらためて5空群に申し込むと、「自衛官でも許可を得なければ入れない。通知により、通常は撮影どころか場所を知らせることもできない」との回答。東京の海上幕僚監部が引き続き可否を検討しているが、訴訟から24年たった今、秘密主義はさらに深まっているように映る。
センターは、那覇基地所属のP3C哨戒機が探知した潜水艦のデータを解析したり、指示を出したりする。国側は訴訟の中で「対潜戦の中枢」と表現した。特定秘密保護法案の成立後、捜査機関が「著しく不当な方法」と考える方法で記者が取材し、この種の記事を書けば、処罰される可能性もある。