■「国レベルで記録の再構築が必要」
韓国の国家記録院には現在、各国家機関から移管された文書323万7745件、図面22万5371件、カード20万6502件および視聴覚資料241万8975件、行政刊行物47万9970件などが保管されている。しかし国家記録院は、資料を機関別に区分・管理するだけで、詳細なテーマ別の分類はまだ行っていない。国家記録院には、こうして保管されたまま眠っている主要文書類がかなりある、と専門家らはみている。活用しようとしても、活用できないのが現実だ。
それでも国家記録院に集められた記録はまだいい方だ。公共記録物管理法の施行(2000年)以前は、政府機関がきちんと記録を保存せず、関係者や専門の収集家が個人的に持っている文書も少なくないと専門家らは推測している。開化期、植民地期、6・25戦争(朝鮮戦争)など激動の歴史を経る中で、外交使節や外国軍人などの手に渡って海外に流出し、所在がきちんと把握できない記録類も多いという。こうした記録を取り戻し、韓国近現代史の「ミッシングリンク(連続性が期待されている事象のうち欠けた部分)」をつなぎ直すことが、絶対に必要だと専門家らは指摘している。
明知大学の金翼漢(キム・イクハン)教授は「韓国内外に散在する記録類について、広範囲かつ体系的な全数調査を行い、収集作業をすべき。少なくとも5年かけて200-300億ウォン(約19-28億円)の予算を投じ、政府挙げて国家記録システムを精密に再構築しなければならない」と語った。