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新出生前検査 54人が人工妊娠中絶
11月22日 12時22分

妊婦の血液を分析して胎児に染色体の病気があるかどうか判定する新しい出生前検査を受けた妊婦は、ことし4月からの半年間に全国でおよそ3500人に上り、陽性と判定された67人の妊婦のうち流産などをしなかった54人が人工妊娠中絶をしたことが、産婦人科医などのグループの調査で分かりました。

新しい出生前検査は、妊婦の血液を分析して胎児にダウン症など3つの染色体の病気があるかどうかを高い確率で判定できるもので、ことし4月から国内でも受けられるようになりました。
この検査を実施する全国29の病院の産婦人科医などのグループは22日に開かれた学会のシンポジウムで、ことし4月からの半年間におよそ3500人の妊婦が検査を受け、67人が胎児に病気がある可能性が高いことを示す「陽性」と判定されたことを明らかにしました。
このうち羊水検査などで胎児の染色体の異常が確定したのは56人で、うち53人が人工妊娠中絶をしたということです。
残る3人のうち2人は流産し、1人は調査時点では妊娠を続けるか中絶を選択するか決めることができていませんでした。
これとは別に、出生前検査で陽性と判定され、羊水検査による確定診断を受けないまま中絶した妊婦も1人いたということです。
一方、陽性と判定されながら確定診断で病気がないと診断された人も6人いたほか、逆に陰性と判断されたのにその後病気があると分かった人も1人いたということです。
また中絶を選択した妊婦にその理由を尋ねたところ、▽赤ちゃんの病気の今後の経過がよくないとみられるからと答えた人が37%と最も多く、▽育てる自信がないこと、▽将来設計に不安があることが、ともに21%でした。
妊娠中絶の条件などを定めた母体保護法では、胎児の病気や障害を理由にした中絶は認められていませんが、現場の医師などによりますと、母体への悪影響や経済的な理由といった法律の条件を理由に中絶手術が行われているということです。

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