「半沢直樹」に憧れて銀行を目指す若者への覚悟のススメ

2013年08月14日(水) 山崎 元
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 銀行の人事は、人事部によって中央集権的に管理・決定されている。人事部は、全行員の財産を管理しているといっても大袈裟ではない。かつて、第一銀行と勧業銀行が合併して第一勧業銀行が出来たが、合併後にも、20年間以上二つの人事部が並立していた。簡単に混ぜるわけには行かなかったのだ。

 銀行員に、同じ銀行の他の銀行員について質問すると、その人の、出身大学、年次、現在のポスト、それまでの経歴、出世の具合(同期の何次選抜で課長待遇になったかなど)について、淀みなく答えが返ってくるのが常だ。率直にいって、ブランド価値の低い大学から銀行に入ると、出身大学が一生重荷になる公算が大きい。

 銀行員は、銀行員以外のビジネスパーソンに対して、自分が銀行員であり、勤める銀行の行員であることを根拠にした優越感を持っている。
 ただ、この優越感には、自分の勤める銀行よりもグレードの高い銀行に勤める銀行員に対して、ほぼ無条件に劣等感を持つという弱点を抱えている。単純にいって、地銀の行員は、メガバンクの行員に対して、劣等感を持つ。強すぎる序列意識の副作用といっていいだろう。

役員候補以外は50歳前後で第一線から外れる

 銀行に入る場合、銀行自体の序列と、銀行の中で自分が獲得できるであろう序列とを、冷静に分析し、選択する必要がある。
 筆者の学生時代に、大手の都銀に入ることが出来る所属ゼミと成績を持ちながら、敢えて、信託銀行を選んだ同級生がいた。彼は、「この銀行でなら、自分は十分な競争力を持てる(=高い序列を確保できる)」と考えたのだった。

 銀行という職場は、良い人材を多数抱えて、これを無駄に使っているように見える。
 20代の頃は自由時間を奪って大いに我慢をさせて、30代から40代前半にかけて本格的に仕事をさせるが、役員候補ないしはその少数のライバルを除き、大半の行員が50歳前後で出向させられる。簡単にいうと、第一線から外れるのであり、そのことを組織から宣告され、それが、人事の形に表れるのだ。人材の利用という点では、余力のある時点で使い捨てされる。

 

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