昨年末の企業設計の行政処分を受けて、読者から「企業設計とアブラハム・プライベートバンクはどう違うのか? 」という質問が来たので、ここであらためて確認しておこう。海外投資を応援するメディアとして、企業設計のような企業のどのような点が違法なのか、アブラハム・プライベートバンクはどうして合法なのか、その理由をはっきりとさせておく必要がある。
1. 企業設計の行政処分
2012年12月14日、証券取引等監視委員会は投資助言会社「企業設計」に対し、金融商品取引法違反で行政処分を行うよう、金融庁に勧告した。これを受けて金融庁は12月21日、同社に行政処分を行った。
やや専門的な話になるが、同社はフレンズプロビデントという海外金融商品を国内で販売。金融庁によれば少なくとも734名の顧客が外国ファンドを延べ751件取得している状況が認められた。
具体的には同社、または同社が外国ファンドの紹介を委託した少なくとも58名の者が、見込み客に対して外国ファンドの商品内容等を説明するとともに、当該見込み客の外国ファンドの契約締結手続きを支援し、取得契約を成立させていた。
同社は香港の販売代理会社との間で紹介契約を締結。見込み客が外国ファンドを取得した際には、販売代理会社から紹介料を受領していた。
また、同社は外国ファンドを取得した顧客を勧誘した紹介者には、同社が受領した紹介料の一定割合を再分配していた。この行為はいわゆる「マルチ販売」に該当する。
これらの行為を重ねた結果、企業設計は同社が登録を受けている「投資助言・代理業」を逸脱する行為を行っていたと認められた。
2. アブラハム・プライベートバンクと企業設計はどう違うのか?
企業設計と比べて、アブラハム・プライベートバンクは、そのビジネスモデルがまったく異なっている。
合法性・違法性の違いに関しては、当サイトの「知らなかったじゃすみません。オフショアファンド業者の選び方」
の図をみれば一目瞭然。
アブラハム・プライベートバンクはあくまでも助言と手続きサポートをするにとどまり、顧客は運用会社と直接契約する。またここも重要なポイントだが、具体的な商品名を出す前に、必ず事前に投資助言契約を締結する。あくまでも助言契約者に対象を限定して助言するわけだ。
アブラハム社の場合は、顧客から投資助言手数料を徴収する。海外ファンドの直接購入の支援(助言&サポート)を行い、その後の顧客のポートフォリオを管理して、毎年の助言手数料を得る。つまり、アブラハムは、バイヤーズ・エージェント(購入者支援人・購入者代理人)だ。
一方、企業設計のような違法業者は、ファンド側やその代理人からの紹介料が収入源となっている。つまり、企業設計などの違法業者は、セルサイド・エージェント(販売代理人)だ。
そのため顧客から投資助言料をとる必要がないため、顧客が払う手数料は無料。しかも勧誘する段階で具体的な商品名を顧客に告げている。対象は不特定多数で、助言契約者に限定しない。これらは海外ファンドの販売・勧誘に該当する行為であり(つまり、証券会社のような販売業・セルサイドの免許が必要)、投資助言業者(バイヤーエージェント業)を逸脱した行為であるとして、行政処分を受けたのである。
さらに企業設計の場合、外国ファンドを取得した顧客を勧誘した紹介者に、同社が受領した紹介料の一定割合を再分配するという「マルチ販売」という不法行為まで加わっていた点も処分をされた原因だろう。
アブラハム・プライベートバンクと企業設計のビジネスモデルはまったく真逆なのだ。
3. 難民になった人は救済センターへ
仮に企業設計のような企業が破綻した場合(企業設計の場合は金融商品取引業のすべての業務停止を受けたが、顧客との投資顧問契約の解約業務だけは許されている)、これを利用した投資家は自分自身で、しかも英語で運用会社と手続き業務をしなければならない。むずかしい専門用語も使われるため、これはなかなか大変な作業だ。このような商品の場合、早期解約をすると損失を被る設計になっているものも多い。
こうした場合のお助け隊になるのが「海外ファンド救済センター」だ。
海外ファンドの専門家、アブラハム・プライベートバンクが、顧客が今持っている海外ファンドのモニタリング・売却等の手続きをサポートしてくれる。
また、海外ファンドのアドバイザースイッチを希望する方にも対応。今、取引している会社の継続性に問題があり、長期のサポートがあるのか不安を抱えている人は利用を一考する価値がある。「売却手続きがわからない」と言った手続き面や、「ファンド会社から届いた英文レターの内容や保有商品の時価を知りたい」等、内容の面の相談も受け付けている。
初回相談は無料なので、気軽に相談してみるとよいだろう。
投資助言業者はバイヤーズエージェントである。あくまでも顧客の資産形成のサポートに徹する存在でなければならない。つまり、顧客からのフィーでビジネスが営まれている必要があり、決して、特定ファンド側からの手数料をその生業にしてはならない。ところが、世の中には、特定ファンドの販売に注力する所謂違法業者が多い。海外投資に関心がある読者においては、必ず、以下の点を確認した上で、海外ファンド業者を選別するべきである。
以下のチェックリストに一つでも当てはまる業者との取引は慎重に。
1. 金融庁に登録していない。紹介業や投資コンサルタントと名乗っている(金融庁への無登録業者は違法行為)
2. 不特定多数に対して、特定の海外ファンドの固有名詞を話したり、資料請求をするように謡っている (マン・インベストメントを扱っている業者らが行政処分を受けた)
3. 「投資家は無料!」と謡っている (その場合、ファンド側から紹介料を収益にしており、セルサイドエージェント、販売代理人の可能性があり、違法の可能性あり)
4. 香港のファンド販売代理店へのツアーを企画・販売している(香港の販売代理店と一体となった勧誘行為とみなされ、違法の可能性あり)
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