第18回 母と父の別れ方 【あるキモい男の出自 ⑥】
今回、AV監督の二村ヒトシさんがテーマにしたのは「お父さんとお母さんの出会いと離婚」について。当時まだ珍しい女性の開業医であった二村さんのお母さんは、赤坂の『ちんぐり』というバーで二村さんのお父さんに出会います。結婚して子供ができた後、すぐ離婚してしまったというお二人に、いったいなにがあったのでしょうか……。
なにしろ家庭における父親の味というものを知らないのだから【父親というものは、こういうものだ】とか【男の子は、父親と、このように戦うのだ】とか、もっと言うと【男とは、こうあるべきものだ】というのが、さっぱりわからない。わからないままでヒトシは大人になって父親になった。
さて、フミエとタカシの【出会い→結婚→ヒトシ誕生→離婚】のあまりのすばやさに唖然とした周囲の人々の一人は、フミエの恩師、すなわちフミエの医学博士号取得論文の指導を担当した慶應大学医学部大脳生理学教室の教授だった。
教授はいまで言うテレビによく出るお医者さん的な人で、現在50歳以上の人の中には子どものころ「頭が良くなるから、もっと料理にアジノモトをふりかけなさい、なんならアジノモトだけぺろぺろ舐めなさい」と親に言われて育った方がいると思うが、そのブームのもとである【グルタミン酸が脳の発達に良い】という説をとなえた人だそうである。
当時まだテレビは白黒だったろうが、ためしてガッテン的な番組がもうあったのであろうか(しかし、いま味の素のHP見たら「舐めても頭は良くなりません!」と公式に否定されていました)。その後は【ビタミンB1を強化した小麦粉で作ったパンを食べると脳の活動に良い】と言って、こちらの説はいまだに支持されており伊藤パンとかフジパンから出ている「頭脳パン」という凄い名前のパンを今でも見ますね。
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著者プロフィール
アダルトビデオ監督。1964年六本木生まれ。慶應義塾幼稚舎卒で慶應大学文学部中退。Dogmaからリリースした『美しい痴女の接吻とセックス』『ふたなりレズビアン』『妹に犯されたい』『集団痴女』『すべての女性があなたより背が高い世界』『マ○コがマ○コに恋をする理由(わけ)』各シリーズで、画期的なエロ演出を数多く創案。現在は、MotheRs(痴女専門)・美少年出版社(女装っ子専門)・LADY×LADY(レズ専門)・欲望解放(本人のセックス専門)の4つのAVレーベルを主宰・経営するほか、ベイビー・エンターテイメント、ソフト・オン・デマンド、エスワン、ムーディーズ等からも監督作品を発売。昨年からソフト・オン・デマンド制作部門であるSODクリエイト社の顧問(若手監督への「エロとは何か」指導を担当)にも就任。著書に『恋とセックスで幸せになる秘密』(イースト・プレス)。『すべてはモテるためである』(イースト・プレス/文庫ぎんが堂)も昨年12月に新装改訂版が発売。
公式サイト:nimurahitoshi.net
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