同和地区支援の活動を
行なった経験がある方へ
現在、同和地区支援の活動に
関わっている方へ
これから同和地区支援の活動を
始めようとしている方へ
(ご家族の方と一緒に読んで下さい)
同和地区支援の活動を行なっていると、まれに、家族や友人、同僚などとの人間関係がうまくいかなくなる事があります。それを「社会の無関心」などという言葉でかたずけて、一人、世を憂いていませんか?
しかし、そのようなトラブルは、あなたの少しの配慮と家族の優しさで解決できることであると、世界の先輩たちは教えて下れています。
以下の提案は、世界の文献等を参考にまとめたものです。
同和地区支援活動の参考にしていただければ幸いです
同和地区支援活動は、社会的にも重要であり、個人的にも有意義な経験となります。共に同じ目的に向かって活動するうちに、仲間の間に「家族」のような親しい関係がすぐに生まれてきます。活動の現場では、「冒険的」な経験や、苦しんでいる人を助けるときにみんなで感じる誇りや、困難な状況下で活動を行う時に個人的に味わう誇りなどがあります。
あなたは、あなたの家族や友達が想像したり、理解したりする事が困難な経験をしてきました。これは、あなたが支援活動から離れて家庭や職場に戻るときに深刻な問題となります。以下に、4つの提案があります。
1.休みましょう
活動の現場では、休息を取る暇がない事や、困難な状況からくる閉塞感のために家に戻ったときに体が疲れきっていることがよくあります。そのことを家族や職場の人達に理解してもらうことも難しい事がよくあります。職場では、たまった仕事をまとめてこなさなけれはならないため、支援の活動をしているときから上手に帰宅後の時間の調整をすることは最善の方法かもしれません。
2.ペースを変えましょう
活動の現場では、あなたは最も短い時間で最も多くの支援をしようとしてきました。活動の現場から元の場所に帰ってきて普段の生活に戻ると、あなたの家族や仕事場での同僚のペースか遅すぎると感じるかもしれません。大事な事を忘れないでいて下さい。あなたが、ペースを変える必要があるという事です。
3.わかちあいましょう
あなたは、家に戻ると家族や友人にあなたの体験の話をしたくなることでしょう。また、彼らも長い間話をすることができなかったので、つもりつもった話があることでしょう。その時に、あなたにとっては彼らの通常の生活の話は当たり前すぎて意味がないように聞こえるかもしれません。逆にあなたの話す経験談は余りにも非現実すぎて彼らが実感するのが難しい事になります。結果として、会話ははずまない事でしょう。彼らが話す事に対して忍耐強くあり、また理解を示して下さい。彼らの経験もあなたの経験と同様に重要である事を忘れないで下さい。
4.自分の感情を理解しましょう
活動の現場からもどると幾つかの感情が生じます。急激な感情の変化には、あなた自身でさえ驚くことがあるかもしれません。しかし、家庭に戻る前にどの様な感情がわき起こってくるか前もって分かっていれば対処もしやすくなる事と思います。それらには、失望、フラストレーションと葛藤、怒り、過剰な同和地区認識、白昼夢、感情の起伏があります。
☆失望
他の人があなたの経験談に興味を抱かない事や、家族や仕事場の同僚があなたが期待していたほどの歓迎で迎えてくれなくてあなたはがっかりする事があるかもしれません。大歓迎を期待して帰ってきても、逆に家を長時間離れていた事の苦情を聞く事になるかもしれません。過大な期待を持ちすぎずに帰宅して下さい。
☆フラストレーションと葛藤
あなたの必要としている事と家庭や職場の人達が必要としている事は一致しないかもしれません。あなたは、支援活動での会議が多くてもう会議にはうんざりしているかもしれませんが、職場に戻るとあなたがいなかったために延期している会議が山積みになっているかもしれません。このようなことでフラストレーションがたまらないように気をつけて下さい。
☆怒り
あなたの家族や友人が持ちかける問題は同和地区の人達の深刻な問題に比べると取るに足りない気がするかもしれません。同じような感情が新聞を読むときやテレビを見るときにわき起こってくるかもしれません。ここでひとつ忘れてはならない事は、あなたの家族や友人が現在抱えている問題も、同和地区の人達の深刻な問題と同様に切実であるという事です。
☆過剰な同和地区認識
活動の現場から家庭や職場にもどってくると、同和地区の人達のことを思い起こすような行動を見かけるかもしれません。このことが衝動的な感情の引き金を引くことになり、自分自身だけでなく回りの人達も驚かす事になるかもしれません。この可能性に留意しあなたの衝動的な感情の理由を他の人達に説明してあげて下さい。
☆白昼夢
あなたが通常の生活に戻ると、活動してきた現場に戻りたいと思ったり、又、新たな活動に行きたいと思う事があるかもしれません。「私は同和地区支援活動の方が幸せを感じた。人の役に立てたし、理解もされたし、感謝もされた。家族や友人よりも同和地区の人々のほうが私を必要としている。」と考えがちかもしれません。特にこれは緊急性の問題が解決される以前から活動してきた人たちにとっては顕著かもしれません。あなたは家族や友人にとっても、とても大事な存在であることを覚えていて下さい。
☆感情の起伏
活動の現場から戻ってくると感情の起伏が激しくなる事がよくあります。幸せな気持ちから悲しい気持ち。緊張状態からリラックス状態。にぎやかな雰囲気から静かな雰囲気。これらの唐突な感情の変化はあなたが支援活動で経験してきた葛藤を乗り越えるための正常な反応です。時間がたてばこの状態はいずれ過ぎて行きます。