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【群馬】「憲法違反の悪法だ」 「ストップ秘密保護法案」前橋でデモ
「憲法違反の悪法。廃案に」―。国家機密を漏らした公務員らの罰則を強化する特定秘密保護法案に反対するデモが二十日、前橋市の中心部一帯であり、横断幕やプラカードを掲げた市民ら約百人が声を張り上げた。福島県に足を運んだ脱原発派や、県内の上空を飛ぶ米軍機などの騒音問題に取り組む人も参加。それぞれの思いから危機感を訴えた。 (菅原洋) 「法案が成立すると、政府が事故や放射性物質などに関する都合の悪い情報を指定して隠すのではないか」。渋川市の宮下歌子さん(74)が指摘した。 宮下さんは東京電力福島第一原発事故の四カ月後に福島県飯舘村に入り、事故の影響に苦しむ人々の姿を目の当たりにした。今年九月には原発間近の同県富岡町を訪れ、「事故が依然としてコントロールできていない」と実感。情報が閉ざされかねない危うさを感じ、デモに加わった。 前橋市の大川正治さん(70)は、県内の上空で米軍機などが飛行訓練し、騒音問題が起きていることから、政府に関係資料を情報公開請求。しかし、半分以上が黒塗りだった。 大川さんはその資料を手に、「こうした情報が秘密保護法で指定されると、全てが黒塗りになるのではないか。戦前の軍国主義に歴史の流れが逆戻りするようだ」と強調した。 市内の富尾忠雄さん(70)は「民主主義社会で政府が秘密を持つのはおかしい。連日報じられる与党と各党の修正協議は信用できず、子どもや孫たちのためにも廃案にするべきだ」と主張した。 デモは、県内の労働組合など各種団体で組織し、平和運動に取り組む「安保破棄 県実行委員会」(前橋市)の主催。スタート地点の前橋公園で、実行委員長を務める市内の吉村駿一弁護士が「表現の自由を侵し、主権者の国民を萎縮させる憲法違反の法案だ」とあいさつした。一行は県庁や前橋市役所の前を通り、中心商店街まで約一キロを練り歩いた。 PR情報
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