【暗躍列島を暴く】沖縄の矛盾 基地で厚遇を受けつつ「米軍反対!」 返還延期要請も… (2/2ページ)

2013.11.22


米軍基地反対を叫びながら、基地を生活の糧にする沖縄県民。島には大きな矛盾が横たわる【拡大】

 反基地運動に関しては、こんな証言もある。

 那覇在住で定職を持たず、自由な生活をしているA氏は「基地反対集会や座り込み運動のバイトはいい金になる。日当2万円プラス弁当がつく日もある。掛け持ちで2つの集会に出なければならない時は、別の人間にいかせて1万円をピンハネするから、私の日当は3万円になるときもある」と明かした。

 どうやら、バイト代を出す組織もあるようだ。

 このほか、市町村に落ちる基地関連予算を並べると、障害防止事業、騒音防止事業、民生安定助成事業、道路改修事業、周辺整備統合事業、周辺整備調整交付金、移転措置事業、緑地整備事業、施設周辺の保証、住宅防音、漁業補償、離職者対策費、特別協定による保証など計約1580億となる。

 米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設問題で注目される同県のキャンプ・ハンセンについて、今年9月、興味深い出来事があった。

 日米両政府が、名護市に返還することで合意した同基地の一部の土地について、同市の稲嶺進市長が6日、沖縄防衛局を訪れ、「跡地利用が難しい」などとして、返還を延期するよう要請したのだ。

 返還予定地の約162ヘクタールは東京ドーム35個分。軍用地料は年間約1億3000万円に上る。稲嶺氏といえば普天間飛行場の「移設反対派」として知られるが、地料確保の意識は強いようだ。

 ■大高未貴(おおたか・みき) 1969年、東京都生まれ。フェリス女学院大学卒業。ダライ・ラマ14世や、PLOのアラファト議長などにインタビューし、95年にジャーナリストとしてデビュー。世界100カ国以上を訪問し、潜入ルポなどを発表。著書に「神々の戦争」(小学館)、「冒険女王 女一人シルクロード一万キロ」(幻冬舎)「日本被害史」(共著、オークラNEXT新書)など。

 

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