2009年07月03日

Fittingでの注意点

これからartemisのFittingについて説明していきます。
私はFitting、解析をとても重要視しています。
XAFSでもXRDでもFitting、解析することによって様々な物性パラメータを議論することができます。原子間距離、配位数、デバイ・ワラー因子、非調和のキュムラント項など。しかし、これらを求めようとするとそれなりのリスクがあります。算出された値が正しいか否かです。フーリエ変換は距離に対しては結構正しい値を出してくれます。それはXRDでも一緒です。エネルギーシフト(EAFS)、ゼロ点シフト(XRD)に注意して解析すれば問題ありません。しかし、フーリエ変換は強度に対しては、様々なパラメータの影響があるので、配位数、デバイ・ワラー因子を正確に求めることは難しいです。配位数を大きくする効果とデバイ・ワラー因子が小さくなる効果が同様です。デバイ・ワラー因子はkが関係しているのでまだいいのですが、配位数の絶対値を求めるのはかなり困難です。私は不可能と思っています。第一近接のみを扱った場合、S0^2(intrinsic loss factor)と配位数は強度に対して同じ効果を与えます。第二近接まで考慮すればいいのですが、解析精度は確実に低下します。それでもある元素にのみ着目して、配位数、デバイ・ワラー因子を議論できるのはXAFSのみです。他の物性測定、化学分析によって制約条件をかければ各パラメータを推測できないこともありません。in situ XAFSなら相対値は議論することができるでしょう。様々なリスクはありますが、がっちり勉強してFitting、解析にトライしてみましょう。
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2009年07月10日

ファイルの読み込み

ArtemisのショートカットをダブルクリックしてArtemisを立ち上げます。updateを聞いてきますが、無視して「Run artemis」をクリックしてください。Artemisの立ち上げに時間がかかりますが、じっと我慢してください。立ち上がると以下の画面になります。フルスクリーンで写るように、右上の画面を最大にするボタンを押してください。


09071001.bmp


では、Athenaで作ったファイルを読み込みましょう。メニューバーのfile→open fileで「C:\Program Files\Ifeffit\examples\Athena\tutorial」内のCo_foliを開きます。以下の画面になりますので、そのまま「Import these data」のボタンを押します。


09071002.bmp


ファイルを読み込むとAthenaで処理したデータがArtemisにimportされます。in situなどの実験で同じ条件でバックグランド、k範囲などを処理したい場合はAthenaで一気に処理することをお勧めします。その方が間違いも少ないと思います。では、この状態で一度保存しておきましょう。メニューバーからfile→save projectで「Co_foil.apj」との名前にしておきましょう。apjはArtemisのファイルの拡張子です。
posted by イトー at 05:04| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Graphics Window

Athenaのデータを読み込んだらグラフを確認してみましょう。右上の「Plot selected groups in」のボタンで各種のグラフが表示できます。defaultのままで、茶色のkボタンを押し、Graphics Window(以降GW)の画面にすると以下のグラフが現れます。


09071003.bmp


Athenaで処理したデータがそのまま現れます。「Plotting options」の一番上の2が選択されているのでグラフの縦軸はk2(二乗)χになります。1を選ぶとkχ、3を選ぶとk3χとなります。各グラフを以下に示します。


09071004.bmp


09071005.bmp


基本的には2または3で十分だと思います。次数を高くすればするほど高kの影響が大きくなります。今回は2で進めます。
Athenaでのk-rangeが2から18.503になっています。「Plotting options」のkmaxを20としましょう。変更したら茶色のkボタンを押します。GWでグラフを確認します。kが20まで表示されています。k=16程度まで振動が確認できます。k3χでplotすると更に高kの振動が確認できます。「Plotting options」のWindowにチェックを入れます。どの部分がフーリエ変換されるかがわかります。左側のwindowの「Fuorier and fit parameters」のk-rangeを2から16にしましょう。k2χでplotします。それで茶色いkボタンを押し、GWを確認すると以下のようになります。(グラフを更新する際には必ず茶色いボタンを押してください。)


2009071101.bmp


では、これを動径分布にフーリエ変換してみましょう。茶色のRボタンを押し、GWを確認すると以下のようになります。


2009071102.bmp


k rangeを2-6から2-18に変化させた場合の動径分布の変化を下記に示します。k rangeが2−16、2−18でほぼ重なります。


2009071103.BMP


k rangeは注意したほうがいいです。EXAFS振動が確認できない範囲でフーリエ変換しても意味がありません。注意する項目としては
・k rangeでEXAFS振動が確認できるか?
・動径分布関数にゴーストが出てないか?
・比較する場合はk rangeを合わせておく。
・比較する場合はデバイ・ワラー因子が大きい方(EXAFS振動が小さくなる方)にk rangeを合わせる。
などです。私はEXAFS解析(ほとんどの解析についても)は比較でのみ有効と思っていますので、どのような条件と比較するかに注意してください。k rangeは可能な限り広いほうがいいですが、動径分布でゴーストが出るようでしたら、適度に狭めてもいいと思います。また、k rangeはAthenaで決めておけば、Artemisでは調整しなくてもOKです。

Fittingは動径分布関数の赤いWindowの中をフーリエ変換して、χ(q)の実数部及び虚数部に対して行います。(動径分布にFittingするやり方もあります。)k range 2-16から求めた動径分布のR 1-3をフーリエ変換します。左側のwindowの「Fuorier and fit parameters」のk-rangeを2−16、R-rangeを1-3にします。それで右上の茶色いqボタンを押します。GWを確認すると以下のようになります。動径分布の一つのピークのフーリエ変換なので、きれいな振動になっています。


2009071104.bmp


先ほどk-rangeを変化させた時の動径分布の変化を確認しましたが、同条件でχ(q)の実数部も確認しましょう。R-rangeは1−3です。


2009071105.bmp


当たり前かもしれませんが、高k側で大きく違ってきます。次にR-rangeの変化を確認してみます。k-rangeは2−16です。


2009071106.BMP


ちょっと分かりにくいですが、R-range:1-3はピーク1つのフーリエ変換ですので、単純なEXAFS振動となっています。R-range:1-5になると動径分布で3つのピークをフーリエ変換するので、単純なEXAFS振動でなくなります。3つの振動の重ね合わせになります。もちろん、振動の数が増えるほどFittingが難しくなります。

どのようなk-range、R-rangeで動径分布、χ(q)の振動が変わってきます。なのでFitting parameterが変わってしまいます。in situや変化を見るのでしたら、k-range、R-rangeは合わせておいた方が無難でしょう。
posted by イトー at 22:40| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月13日

EXAFS振動の式

実験からEXAFS振動は以下の式で求められます。
まず実験からは入射X線の強度、透過X線の強度から吸収係数が求まります。


2009071902.bmp


I:透過X線の強度
I0:入射X線の強度
μ:X線の吸収係数
t:サンプルの厚さ


2009071901.bmp


χ(k):EXAFSの振動成分
μ:吸収係数
μs:吸収係数のバックグランド
μpre:吸収端より低エネルギーの吸収係数のバックグランド
μpost:吸収端より高エネルギーの吸収係数のバックグランド

EXAFS振動は平面波単散乱理論により以下で示されます。


2009071107.BMP


χ(k):EXAFSの振動成分
Σj:j個の散乱原子について足し合わせる。
Nj:j番目の散乱原子の個数(配位数)
Fj(k):j番目の散乱原子の後方散乱強度(光電子波の散乱の大きさ)
σj:j番目の散乱原子の位置の揺らぎの大きさ(デバイ・ワラー因子)
φj(k):j番目の散乱原子による光電子波の位相の変化
S0^2:多体効果による効果
rj:吸収原子とj番目の散乱原子の原子間距離
k:光電子の波数

FEFF計算で求めるのはFj(k)、φj(k)です。

Fittingによって求まるのはS0^2×Nj(S0^2とNjは分離できない。と思っていますが、間違っていないですよね?)、σj、rjです。周期性から求まるrjは、E0(吸収端エネルギー)やエネルギーシフトがきちんと求まっていれば意外ときちんと出てきます。しかし、強度に関係しているS0^2×Nj、σjの議論は結構難しいです。σjはexp(-2k^2×σj^2)で効いてきますので、S0^2×Njと全く同じという訳ではありませんが。パラメータの変化による、動径分布、EXAFS振動への影響は、シミュレーションを活用して実感してください。これらのパラメータは解析者がどこに着目するかで違ってきます。配位数を見たいのか?デバイ・ワラー因子を考察したいのか?どのパラメータをFixして、解析の標準偏差を改善するか?など考えることはいろいろあり、ボタン一つで解析できる、R因子が下がったから解析できたとは言えないのです。
posted by イトー at 22:48| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月14日

解析の流れ

以下に解析の流れを示します。

1.結晶構造を入力する。
2.入力した結晶構造を用いてFEFFによる計算を行う。
3.FEFF計算を元に測定データに対しFittingを行う。
(R空間またはq空間でFittingする。)
4.得られたパラメータ、解析の標準偏差を検証する。

計算の流れはそれほど複雑ではありません。
では、結晶構造の入力から行いましょう。
posted by イトー at 05:03| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

結晶構造の入力

artemisを立ち上げてください。メニューバーのFile→Open fileで「C:\Program Files\Ifeffit\examples\Athena\tutorial」中の「Co_foil.apj」を開いてください。次に以下のようにメニューバーからTheory→New Atoms pageを選んでください。


2009071401.bmp


以下のようなWindowが出てきます。Blank pageをクリックしてください。


2009071402.bmp


すると以下のような結晶構造データの入力画面になります。(Atoms)


2009071403.bmp


この画面に以下のCoの結晶構造の情報を入力します。結晶構造の情報ICSD(無機結晶構造データベース)、論文等から持ってきます。分率座標が必要なのでリートベルト解析した論文が必要になります。ICSDがあればかなり便利ですが、年間40万円ほど払わなければなりません。(括弧内がArtemisのwindowでの表記です。)

空間群(Space group):F m -3 m
(大文字、小文字、スペースは関係ありません。ICSDで確認するか、以下のHPで確認してください。)

Bilbao Crystallographic Server
Normalizers of a Space Group
Table of Space Group Symbols

http://www.cryst.ehu.es/cgi-bin/cryst/programs/nph-norm?choose=choose&from=norm&gnum=A&norgens=en

格子定数(A,B,C):3.42Å
α、β、γ(Alpha,Beta,Gamma):90°
分率座標x,y,z(X,Y,Z):0,0,0

他に以下の情報も入力してください。

吸収端(Edge):K
Cluster size:6(どのくらい規模を計算するか。6番目に近い元素の散乱まで計算します。多分。)
Shift vector:0,0,0(いじらなくていいです。)
吸収元素(Element):Co
吸収元素の名前(Tag):Co1
タイトル(Titles):Co_foil

これらを入力すると以下のようになります。


2009071404.bmp


入力が終わったら「Define」のボタンを押します。すると以下のようになります。


2009071405.bmp
posted by イトー at 05:19| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Atomsによる計算ファイルの作成

次に「Run Atoms」のボタンを押してください。FEFF計算ができるファイルを作ってくれます。以下がFEFF計算のファイルになります。


* This feff6 input file was generated by Artemis 0.8.012
* Atoms written by and copyright (c) Bruce Ravel, 1998-2001

* -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- *
* total mu*x=1: 2.92 microns, unit edge step: 13.54 microns
* specific gravity = 9.786
* -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- *
* Normalization correction: 0.00057 ang^2
* -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- * -- *

* -----------------------------------------------------------------
* The following crystallographic data were used:
*
* title Co_foil
* space = F m -3 m
* a = 3.420 b = 3.420 c = 3.420
* alpha = 90.0 beta = 90.0 gamma = 90.0
* core = Co1 edge = K
* atoms
* ! elem x y z tag occ
* Co 0.00000 0.00000 0.00000 Co1 1.00000
* -----------------------------------------------------------------


TITLE Co_foil

HOLE 1 1.0 * Co K edge (7709.0 eV), second number is S0^2

* mphase,mpath,mfeff,mchi
CONTROL 1 1 1 1
PRINT 1 0 0 0

RMAX 6.0

*CRITERIA curved plane
*DEBYE temp debye-temp
NLEG 4

POTENTIALS
* ipot Z element
0 27 Co
1 27 Co

ATOMS * this list contains 87 atoms
* x y z ipot tag distance
0.00000 0.00000 0.00000 0 Co1 0.00000
1.71000 1.71000 0.00000 1 Co1_1 2.41831
-1.71000 1.71000 0.00000 1 Co1_1 2.41831
1.71000 -1.71000 0.00000 1 Co1_1 2.41831
-1.71000 -1.71000 0.00000 1 Co1_1 2.41831
1.71000 0.00000 1.71000 1 Co1_1 2.41831
-1.71000 0.00000 1.71000 1 Co1_1 2.41831
0.00000 1.71000 1.71000 1 Co1_1 2.41831
0.00000 -1.71000 1.71000 1 Co1_1 2.41831
1.71000 0.00000 -1.71000 1 Co1_1 2.41831
-1.71000 0.00000 -1.71000 1 Co1_1 2.41831
0.00000 1.71000 -1.71000 1 Co1_1 2.41831
0.00000 -1.71000 -1.71000 1 Co1_1 2.41831
3.42000 0.00000 0.00000 1 Co1_2 3.42000
-3.42000 0.00000 0.00000 1 Co1_2 3.42000
0.00000 3.42000 0.00000 1 Co1_2 3.42000
0.00000 -3.42000 0.00000 1 Co1_2 3.42000
0.00000 0.00000 3.42000 1 Co1_2 3.42000
0.00000 0.00000 -3.42000 1 Co1_2 3.42000
3.42000 1.71000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
-3.42000 1.71000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 3.42000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 3.42000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
3.42000 -1.71000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
-3.42000 -1.71000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 -3.42000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 -3.42000 1.71000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 1.71000 3.42000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 1.71000 3.42000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 -1.71000 3.42000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 -1.71000 3.42000 1 Co1_3 4.18863
3.42000 1.71000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
-3.42000 1.71000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 3.42000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 3.42000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
3.42000 -1.71000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
-3.42000 -1.71000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 -3.42000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 -3.42000 -1.71000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 1.71000 -3.42000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 1.71000 -3.42000 1 Co1_3 4.18863
1.71000 -1.71000 -3.42000 1 Co1_3 4.18863
-1.71000 -1.71000 -3.42000 1 Co1_3 4.18863
3.42000 3.42000 0.00000 1 Co1_4 4.83661
-3.42000 3.42000 0.00000 1 Co1_4 4.83661
3.42000 -3.42000 0.00000 1 Co1_4 4.83661
-3.42000 -3.42000 0.00000 1 Co1_4 4.83661
3.42000 0.00000 3.42000 1 Co1_4 4.83661
-3.42000 0.00000 3.42000 1 Co1_4 4.83661
0.00000 3.42000 3.42000 1 Co1_4 4.83661
0.00000 -3.42000 3.42000 1 Co1_4 4.83661
3.42000 0.00000 -3.42000 1 Co1_4 4.83661
-3.42000 0.00000 -3.42000 1 Co1_4 4.83661
0.00000 3.42000 -3.42000 1 Co1_4 4.83661
0.00000 -3.42000 -3.42000 1 Co1_4 4.83661
5.13000 1.71000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
-5.13000 1.71000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
1.71000 5.13000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
-1.71000 5.13000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
5.13000 -1.71000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
-5.13000 -1.71000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
1.71000 -5.13000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
-1.71000 -5.13000 0.00000 1 Co1_5 5.40749
5.13000 0.00000 1.71000 1 Co1_5 5.40749
-5.13000 0.00000 1.71000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 5.13000 1.71000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 -5.13000 1.71000 1 Co1_5 5.40749
1.71000 0.00000 5.13000 1 Co1_5 5.40749
-1.71000 0.00000 5.13000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 1.71000 5.13000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 -1.71000 5.13000 1 Co1_5 5.40749
5.13000 0.00000 -1.71000 1 Co1_5 5.40749
-5.13000 0.00000 -1.71000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 5.13000 -1.71000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 -5.13000 -1.71000 1 Co1_5 5.40749
1.71000 0.00000 -5.13000 1 Co1_5 5.40749
-1.71000 0.00000 -5.13000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 1.71000 -5.13000 1 Co1_5 5.40749
0.00000 -1.71000 -5.13000 1 Co1_5 5.40749
3.42000 3.42000 3.42000 1 Co1_6 5.92361
-3.42000 3.42000 3.42000 1 Co1_6 5.92361
3.42000 -3.42000 3.42000 1 Co1_6 5.92361
-3.42000 -3.42000 3.42000 1 Co1_6 5.92361
3.42000 3.42000 -3.42000 1 Co1_6 5.92361
-3.42000 3.42000 -3.42000 1 Co1_6 5.92361
3.42000 -3.42000 -3.42000 1 Co1_6 5.92361
-3.42000 -3.42000 -3.42000 1 Co1_6 5.92361
END

複数のスペースがブログで読み込まれていないので、読みにくくてすみません。*の部分は読み込みません。

0 27 Co:吸収元素
1 27 Co:散乱元素

* x y z ipot tag distance以下は
(0.00000 0.00000 0.00000)を吸収元素の座標として、原点以下の座標は散乱元素の座標が記載されています。順番としては
散乱元素の座標、散乱元素のNo(ここでは1)、散乱元素のタグ、吸収元素からの距離
となります。

元素置換などを考慮する場合には、このファイルを直接書き直します。それについては改めて説明します。
posted by イトー at 21:07| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

FEFF計算

Atomsによって計算ファイルができたら、FEFF計算ができます。計算内容は教科書を参考にしてください。(私もきちんと分かっているわけではありません。)現状以下のような画面になっていると思います。「Run Feff」のボタンを押すとFEFF計算が始まります。


2009071406.bmp


FEFF計算が終わると以下のメッセージが出ます。


2009071407.bmp


「FEFFによって計算した散乱パスをいくつimportしますか?」と聞いています。とりあえず「The first 10」を選びましょう。
posted by イトー at 21:24| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

散乱パス

現状、以下の画面になっていると思います。


2009071408.bmp


左の画面の説明をします。

#:パスのNo
Deg:吸収元素から同じ距離にある元素の数。配位数になる場合もあります。
Reff:散乱パスの1/2。1回散乱だった場合、吸収元素と散乱元素の距離になります。
Amp:相対強度(パスNo1の強度が100となります。)
fs:?
Scattering path:散乱パス。[+]が吸収元素を表しています。
パスNo1は
[+] Co_1_1 [+]
吸収元素から光電子が飛び出してCo_1_1の散乱元素に散乱され吸収元素に戻ってくるとの散乱パスを示しています。

オレンジ色は1回散乱を示しています。

青は多分、元の吸収元素に戻って来ない散乱パスではないかなと思います。(確認します。)
posted by イトー at 21:31| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

各散乱パスの設定

下の画面の説明をします。


2009071409.bmp


右画面のPath1:[Co_1]をクリックして、オレンジにすると右画面にPath1:[Co_1]の散乱パスの詳細情報が出てきます。(オレンジに変わっても詳細情報が出ない場合があります。その場合はPath1:[Co_1]の文字の上をクリックしてください。)

amp, enot, delr, ssがFittingによって求められるパラメータです。

amp:S02(artemisでは配位数Nが固定なので、S02の変化によって配位数を議論する。)
enot:エネルギーシフト。私がSPring-8,BL14B2のデータを解析したところ今までのデータでは±1eVにおさまっています。
delR:Reff(初期原子間距離)からのずれ
ss:デバイ・ワラー因子(σ^2)
N:配位数。ここでは12になっています。
3rd:3次のキュムラント項を設定できます。後ほど説明します。
4th:4次のキュムラント項を設定できます。後ほど説明します。
Ei:すみません。わかりません。調べます。

「include in the fit」にチェックが入っているとFittingに使われます。
posted by イトー at 22:19| Comment(0) | チュートリアル-artemis | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする