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【政治】

情報隠し、民主主義壊す 沖縄密約の西山氏訴え

参院国家安保特別委で参考人として意見を述べる西山太吉氏=21日、国会で

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 沖縄返還に絡む密約を暴露した元新聞記者の西山太吉氏(82)が二十一日、参院国家安全保障特別委員会に参考人として出席。「外交交渉で結論が出たら、すべて公開して国民の理解を得なければならない。それを隠すなら民主主義が崩壊する」と情報公開の必要性を強調、特定秘密保護法案を批判した。 (安藤淳)

 西山氏は、沖縄返還時の日米密約をスクープ。秘密を漏らすよう外務省職員をそそのかしたとして逮捕、有罪判決が確定した。

 委員に語りかけるように熱弁を振るった西山氏。外務省密約問題やイラク戦争で大量破壊兵器が存在しなかった問題に対し、徹底的な検証を行わない政府の情報隠蔽(いんぺい)体質を指摘。「外交交渉のプロセスをいちいち公開する必要はないが、今回の法案は外交交渉を全部隠して、すべて特別秘密に指定できる。これじゃあいけない」「今は隠そう隠そうという方に力点が置かれている」と、政権の対応を批判した。

 安倍政権の内閣人事局新設や、内閣法制局長官人事など権力の集中一元化も懸念。「私は戦後を見てきたが(こんな集中は)ない。その中で秘密保全が付きまとう。反省してほしい」と訴えた。

 一方、日本版「国家安全保障会議(NSC)」設置法案について、「沖縄返還交渉の際、日本はバラバラで交渉し、米国の対日要求を全部のまされ、密約につながった。もし外務・防衛が縦割りを克服し機能するなら、素晴らしい威力を発揮する」と述べた。

 特別委には、元検事で弁護士の落合洋司氏、日本経済研究センターグローバル研究室長の春原剛(すのはらつよし)氏も参考人として出席した。

 

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