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 警察の対応に、明らかな変化がみられ始めた。

 東京都・銀座で11月17日、排外デモとそれに対する抗議のカウンターが行われた。水谷橋公園を15時半に出発する排外デモ隊に合わせ、公園周辺では、15時前からカウンターの市民がデモ参加者らに対して「帰れ!」などと抗議の声を上げていた。

 機動隊の数はデモ参加者とカウンターの市民を足した数よりも多く、現場は騒然とした。カウンターの市民らは機動隊によって1ヶ所に集められ、出入りできないよう取り囲まれた。

 15時半、デモ隊は予定通り出発。集まったカウンターの市民らは追走しようとしたが、機動隊は市民を取り囲んだまま動かず、カウンター勢の追走が許されなかった。

「なんの権限があって我々の通行を妨げているんだ」
「これはレイシズムに対する加担ではないか」

 カウンターの市民らは猛反発し、抗議の声を上げたが、機動隊員らは応じない。デモ隊の出発から約1時間後、排外デモ隊がゴールの日比谷公園に明らかに到着したと思われる頃になり、ようやくカウンター勢への包囲は解除された。

 排外主義者に対するカウンター勢力「男組」に所属する山口祐二郎氏は、「今日の警備は酷かった」とし、次のように振り返った。

「これまではある程度の距離までは近付けたが。(騒ぎが大きくなったということで)警備が厳しくなるとは聞いていたが、法的根拠がまったくない。これが続くならこちらもやり方を考えていかねばならない」

また、カウンターに参加した男性の一人は「こんなやり方は初めて。こちらにも表現の自由がある」と怒りをあらわにした。排外デモ参加者やカウンターの市民の中から、複数人の逮捕者がでたこともあってか、警察による規制は以前より強まっている。しかし、カウンターの市民を約1時間ものあいだ拘束する権利が、警察にあったのかは疑問である。(IWJ・原佑介)

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