<広島カープ>バスを降ろさせ異例の罰則走?
野村監督の鬼指令の裏には「若手も含めて、うちは1、2軍全員がひとつになって戦わねば勝てない」という広島のチームコンセプトがある。この日、秋季キャンプを打ち上げたが、その会見では、成長が見られた若手の野手として2012年のドラフトで入団した19歳トリオの名前を挙げた。ドラ1の高橋大樹(龍谷大平安高)、ドラ2の鈴木誠也(二松学舎大付)、ドラ5の美間優槻(鳴門工業→鳴門渦潮)の3人だ。
■若手の成長が収穫 来春はルーキーが参加
「若手中心のキャンプだったが、走攻守の技術アップに取り組み成果があったと思う。スイングスピードが目立って先輩を脅かす選手も出てきた。投手は制球力のアップを重点にやった。来春加わる大瀬良大地(九州共立大)と、九里亜蓮(亜大)という2人の新人投手については1軍キャンプスタートになるかもしれない」
今季は16年ぶりにAクラス入りを果たした。初出場となったクライマックスシリーズのファーストステージでは阪神を連勝で下したが、巨人には力及ばず日本シリーズ出場はならなかった。2桁勝利をした大竹寛がFAで退団するのは、ほぼ確実な状態。野村監督は、チームのさらなる底上げのためには若手の力が必要不可欠だと考えている。プロの世界で異例の罰則走を命じた裏には、そういう指揮官のメッセージが込められているのかもしれない。
(文責・駒沢悟/フリーライター、元スポーツ報知記者)