【根岸拓朗】放射線被曝(ひばく)による健康不安を抱えながら、東京電力福島第一原発で廃炉に取り組む作業員を支えたいと、元東電社員の吉川彰浩さん(33)らが今月、募金でカイロと肌着を届ける活動を始めた。「彼らの労働環境を考え、改善するきっかけをつくりたい」と話す。

 吉川さんは茨城県出身。東電が社員を養成する「東電学園」(閉校)高等部を卒業し、第一原発で設備点検の管理などをした。原発事故で福島県浪江町から妻と避難し、同県いわき市の借り上げ住宅で暮らす。

 事故後、福島第二原発の復旧にあたった吉川さんは、かつて一緒に働いた第一原発作業員らと話すたびに、放射線被曝や士気の低下に心を痛めた。