間 黒助です。
生活習慣病を予防するため、
若い女性であれば、
生活習慣病うんぬんよりも、
キレイなスタイルを手に入れるため、
理由はどうあれ、
肥満でいいことは1つもないので、
世の中には無数のダイエット法が溢れています。
書店には多種多様なダイエット関連書籍が競うように並んでいて、
それぞれが絶大な効果を謳っています。
『 食事療法(低カロリー・低コレステロールダイエット) 』
『 代替食品(1食をゼリーやジュースに置き換える方法) 』
『 サプリメント(普通の食事に加えて何らかの錠剤を飲む方法) 』
『 特定食品(ある1つの食品だけを食べる方法) 』
『 運動(体を動かして体内エネルギーを消費する方法) 』
『 器具系フィットネス(スポーツジムに通ってする運動) 』
『 器具なしフィットネス(エアロビクスやヨガなど) 』
大雑把に分けたこれらに加えて、
エステで行う脂肪の揉み解しや、
サウナや岩盤浴などもダイエットの一種としてやっている人も多いでしょう。
これらのダイエット法はかなり前からあり、
どの方法でも多少の減量は可能かもしれません。
しかしそれが正しいダイエット方法であったならば、
現代に肥満の人など1人もいないはずです。
一時期ブームになった代替食品(バナナやリンゴ、コンニャクなど)によるダイエットは、
いつでもどこでも手に入る食材なので、
それでダイエットできるなら誰もが痩せていて当然です。
ゼリーやジュース、サプリメントも同じで、
それを食べたり飲んだりした人がみんな痩せるのなら、
その商品を買ってくれる人もいなくなり、
メーカーはとっくに倒産しています。
それなのに、
テレビCMで毎日あれだけ宣伝しているということは、
痩せない人を騙して買わせ続けているという事実だと思います。
現在、
定番となっているダイエット法は、
『 食事療法(低カロリー・低コレステロールダイエット) 』
プラス
『 運動(体を動かして体内エネルギーを消費する方法) 』
でしょう。
健康診断に引っ掛かった人には必ず推奨されています。
体に入るものを少なくし、
出るものを増やすので、
差し引きすれば減量できて当然でしょう。
必要以上のエネルギーを取り入れないので、
一見すると理に叶ってるように見えますが、
お金に置き換えて考えると、
収入が減って支出が増えたのと同じで赤字です。
もちろんこの場合の黒字は体重増になるのでNGですが……。
この方法だと、
人体はお金の収支と同じではないので、
満腹することに慣れた体が、
その欲求(空腹による食欲)を我慢できません。
食事の総量を抑えながら、
動物性たんぱく質や脂肪量を減らし、
野菜をたくさん食べるのが、
『 低カロリー・低コレステロールダイエット 』 です。
病院で推奨されるようになって長い期間が過ぎているので、
健康診断で血糖値や中性脂肪値などの結果が悪かった方の多くが、
この方法を経験されたことがあるでしょう。
全国の病院で、
医師も看護師も管理栄養士も、
こぞってこの方法を推進しました。
そうした努力の甲斐あって、
ここ10年で日本人の食事が大きく変わってきました。
摂取するカロリーは減り、
動物性脂肪摂取量もグングン減りました。
しかし、
食事の改善と共に減るはずだった肥満は一向に無くならず、
悪いことに生活習慣病はうなぎ上りに増える一方です。
特定健診が導入されたのは2008年。
日本人に生活習慣病が増えてきていることへの対策として、
厚生労働省が導入に踏み切りました。
長年、
『 低カロリー・低コレステロールダイエット 』 を勧めてきたのにも関わらず、
日本人の生活習慣病は増え続けています。
そのために健康診断を強化し、
予防に努めるという考え自体は共感できます。
しかし、
そこで結果が悪かった方に対する指導も、
『 低カロリー・低コレステロールダイエット 』
というのが信じられません。
例えば血糖値の高い人は、
糖尿病までは進んでいなくても、
“ 糖尿病予備軍 ” とされます。
予備軍まで含めれば、
日本の糖尿病患者数は2,200万人以上とされていて、
早急な対策が必要なことは分かっています。
糖尿病は放置すると危険な合併症が待っている恐ろしい病気です。
そんな大変な状況なのに、
いつまで経っても、
『 低カロリー・低コレステロールダイエット 』
を推奨しているのは異常だと思いませんか。
ジョギングやウォーキングがブームになり、
多くの街にスポーツジムもたくさんあるのに、
日本人は健康どころか、
もの凄い勢いで生活習慣病を増やしています。
このような事実から証明できるように、
『 低カロリー・低コレステロールダイエット 』 は、
明らかに間違いだと思います。
新しい発見があると、
世の中の全てはデータの書き換えがなされます。
医学も日々もの凄いスピードで進化しているので、
医師達は常に勉強して伝えていかなければならないはずです。
古いデータは破棄しなければならないはずです。
最近の医学の進歩で言えば、
ヒトのゲノム(DNAによる全遺伝情報)が解読され、
その技術を使って個人の体質を読み取り、
病気のかかりやすさや、
薬の副作用の有無などの研究も進められています。
「祖父母や両親ともガンで亡くなったから、自分もガンになりやすいはずだ」
とよく言われますが、
その発症の確率も科学的なデータで算出される時代がやってきています。
ゲノムの解読は高校の生物の教科書にも取り上げられていて、
これまで遺伝の定番だった “ ダーウィンの進化論 ” や “ メンデルの法則 ” は影を潜め、
DNAが主役になり、扱いを小さくした社もありました。
しかしどういうわけか、
古いデータがそのまま “ 常識 ” として残されていることが多々あります。
これには様々な立場の人の思惑や利益、
建前が絡んでいるケースも見受けられるので、
それに振り回される一般の人々は首を傾げたくなりますよね。
『 低カロリー・低コレステロールダイエット 』 もその1つで、
ダイエット関連の医学には、
まだ多くの古い常識が蔓延しています。
その代表的なものがコレステロールではないでしょうか。
コレステロールは、
230 くらいが平均値なので、
230 ± 50 が正常範囲。
人間ドックで上限が220というのは明らかに異常です。
コレステロールに関しては、
男性では219まで、
女性は220~249までの人が1番長生きで、
1番早く亡くなったのは、
169未満の低い値の人だったというのが東京都小金井市の研究にあります。
アメリカで、
「コレステロールを下げましょう、肉食を減らしましょう」
という運動を始めたとき、
アメリカ人は1人1日280gの肉を食べていました。
そのときに日本人が食べていた肉は78gでした。
そのときのアメリカの目標値が大体150g~200gだったので、
日本人はそのとき、
まだ2倍の肉を食べていないといけなかったことになります。
アメリカの経済学をそのまま適用して、
日本の経済が良くなると言っている人達もたくさんいます。
それが正しいか間違っているかを僕に論じる資格はありませんが、
少なくともアメリカと日本とでは食べるものが違うのに、
アメリカと同じ健康常識を押しつけた日本の医師達は、
本当におかしいんじゃないかなと思っています。
しかし、
そういう人達がほとんど大学教授になっているわけです。
コレステロールについては、
下げ過ぎない方がいいということは明らかです。
実際、
一般の日本人より、
よく肉を食べる沖縄の人が、働いている限り、少なくとも女性は長生きです。
ハワイの日系人は沖縄より10年も早く現在の日本の平均寿命に達していて長生きです。
なので基本的に健康常識については、
スタートラインが違うので、
外国が唱えたものをそのまま信じるのは危ないのです。
実際、
どうしてそんなことになるかというと理由は単純で、
コレステロールを下げろというのは心臓が専門の循環器内科の医師です。
確かに心筋梗塞だとか狭心症といった、
『 虚血性心疾患 』 に関しては、
コレステロールが高いほどなりやすいです。
でも、
ガンに関しては逆に高いほどなりにくく、
低いほどなりやすいというデータがあります。
また、上図を見て分かるように、
『 脳卒中 』 に関しては240~269が1番なりにくいのです。
これはどういうことかと言うと、
『 虚血性心疾患 』 の場合は、
バイパス手術でも何でも治療法がありますが、
ガンはまだ治せないので、
どっちを選ぶかという話だったら、
コレステロールが高いほうがいいと思うのです(極論ですが)。
さらに言わせてもらうと、
コレステロールが低いと 『 うつ病 』 にもなりやすいです。
コレステロールは、
『 セロトニン 』 という物質を脳に運ぶのに、
非常に大事な役割をしていることが知られていて、
だからコレステロールを下げれば、
確かに心臓病にはなりにくいかもしれませんが、
ガンにはなりやすく、
うつ病で暗い老後を送るような人になってしまいます。
実際、
上図でコレステロールの高い人は、
うつ病になっても改善が非常に早いのに、
低い人はかえって悪くなっています。
そういう意味では、
肉をガッツリ食べるくらいコレステロールの高い人の方が、
ギラギラと楽しく暮らせるかもしれません。
現に、
『 老研式活動能力指標 』 というのがあり、
これは、
自分で買い物に行けますか、
とか、
自分で色んなことが出来ますか、
という30項目くらいの検査ですが、
コレステロールに関しては、
低い群ほど年を取ったときの低下率が高いのです。
逆にコレステロールが高い群の人達はあまり低下しないということになります。
女性についても低い群は低下しています。
男性に関してはコレステロールが高いほど、
『 老研型活動能力指標 』 の落ち方が少ないということになります。
これらを踏まえても分かるように、
コレステロールを悪者視するというのは、
非常に間抜けなことだと思います。