第八十八章 黄色い悪魔
アサヒが動いてくれてから一日が経ち、とりあえず街での俺の手配は一応解除されたらしい。
しかしそれは、俺の滞在場所がヒサメ道場で、手配をしなくても居場所が分かっているという理由で行われた暫定的な処置であり、騎士団の人たちのほとんどは、いまだに俺が邪教の使いだと信じ込んでいるんだとか。
何しろ騎士団の人から『猫耳屋敷の恐ろしさ』とやらを吹き込まれたようで、アサヒにまで、
「お前の家は一体どんな所なんだ?」
と訊かれる始末だった。
俺は数多の先人たちの例にならい、
「とにかく凄い場所です」
という風に答えておいた。
うん、まあ、嘘は言っていない。
それに、あの屋敷は製作者の悪ふざけで色々な仕掛けがついているだけだ。
ホラー部屋や回転部屋なんていうのはむしろプレイヤーを楽しませてやろうというダークなサービス精神の表れだろうし、侵入者よけのトラップを除けば、意図的に肉体的なダメージを与えてくる仕掛けは実はそんなに多くない。
いや、単にゲーム世界においてはリセットすればすぐもどる肉体的なダメージより、リアルにまで打撃を与えうる精神へのダメージの方が効果的だから、という理由があるのかもしれないが、そこはそれ。
少なくともゲームが現実になった今、仕掛けの全てが致死性トラップであるヒサメ家の試練の方が、あの屋敷よりもよっぽど危険度が高いと思うのは俺だけだろうか。
なんにせよ、騎士団との調整はまだしばらく時間がかかるようだ。
アサヒからは、外に出るなとは言わないが、まだ王都には行かない方がいいだろうと忠告された。
その辺りの機微は正直分からない。
しかしとりあえず、従妹の真希のことを除けば、今の俺に王都に行かなければならないような用事はない。
この道場を拠点に使わせてもらって、しばらくは王都とはあまり関係ないダンジョンやフィールドなんかを攻略して行こうかと考えている。
その方針を話すと、ミツキは猫耳をしゃきっと立てながら、リンゴは牛乳を片手に持ちながら、それぞれ賛成してくれた。
くまだけは俺の首の辺りにしがみついて頭をペチペチやっていたが、これは別に俺の言ったことがどうとかいう話ではなく、単に前の怒りが収まっていないだけの話だろう。
「それで、まずはどこに行くのですか?」
ミツキの言葉に、俺はあらためて考える。
当面の危機はないが、この『猫耳猫』において、時間を無為に使うというのは死につながってくる。
このゲームはプレイヤーがさぼれないように、戦況システムというシステムを採用しているのだ。
戦況システムとは簡単に言うと、プレイヤーが戦闘やイベントをこなすことでモンスターとの勢力争いが優勢に傾き、逆に戦闘をしなかったりイベントに失敗するとモンスターに人類側が押されてしまうという物だ。
一番分かりやすいデメリットを挙げると、あまりに攻略を放置すると最終的に魔王が邪神を復活させる『邪神復活バッドエンド』が発生してゲームオーバーになる。
戦況を決めるのは各フィールドの『魔物侵攻度』と呼ばれるパラメータで、これは基本的にそのフィールドで魔物を倒すと下がり、フィールドに魔物が多いと増えていく。
これが高くなるとモンスターポップの間隔が短くなり、さらに極限まで高くなるとその隣のフィールドまでモンスターがなだれ込んだりもする。
逆に下がりすぎるとモンスターポップが起こりにくくなり、これは同じ場所でのレベル上げをする場合の障害となって、『猫耳猫』スタッフの執拗なまでのレベル上げへの敵愾心が垣間見えるのだが、まあこの話は置いておこう。
まあ、『魔物侵攻度』が高すぎて、隣のフィールドからモンスターが乱入してくる、なんてことは流石に普通のプレイでは起こらないのだが、それ以外にもイベントへの影響などもある。
『魔物侵攻度』が高い場合、『王都襲撃』や大量発生などのモンスター侵攻系のイベントが起こりやすくなるため、安全なプレイを目指すなら出来るだけ下げておいた方がいいのだ。
特に、『王都襲撃』は注意するべきイベントだ。
このイベントは『周辺地域の魔物侵攻度』と『王都に来てからの日数』と関連して発生するようだが、いまだ正確な発生条件は分かっていない。
だが、のんびりプレイを進めていて、初見で準備が整っていない間に発生してしまうと、まず対応出来ないのは確かだ。
実力が足りない時に起こしてしまったり、あるいはプレイヤーが街にいない時に発生してしまった場合、街に大量の戦死者が出て、街の機能やイベントに多大な支障が出る可能性がある。
そうでなくても、この世界のキャラクターはみんな生きている。
出来るならば、被害者は少なくしたいというのが、俺の願望だ。
それに……。
(あの戦いには、真希も出て来る)
真希のポジションがゲームでのシェルミア王女と同じであるなら、真希は最前線に出て魔物と戦うはずなのだ。
もちろん真希に会いたいという思いはあるが、だからと言って彼女を無駄に危険に晒したくはない。
あいつは冒険者でもなければ『猫耳猫』プレイヤーですらない、ただの現代の女の子なのだから。
幸い、大量発生のモンスターを全滅させたことで、王都周辺の『魔物侵攻度』はかなり低くなっているはずで、王都に来てからの日も浅い。
すぐに『王都襲撃』イベントが発生することはないだろう。
そして、『王都襲撃』イベントはその発生時期や出て来るモンスターに多少の誤差はあるものの、やってくる方向、ルートなどは全く変わらない。
しっかりとした準備さえすれば、簡単に撃退出来るのである。
特にこの世界は、ゲームの世界よりも自由度が高い。
俺は襲撃の進路上にあらかじめ罠を張り、襲撃してくる魔物を一網打尽にしてしまおうかと考えている。
ただ、大規模な罠を仕掛けるには、王都の人たちの協力、とは言わないまでも、反対されないだけの信頼が築けていないといけないだろう。
とりあえず、まだ動けないということだ。
そして、『魔物侵攻度』に関連する脅威は、『王都襲撃』イベントだけではない。
だけではないが……。
(まずは、手頃な場所で自分たちの戦力を確認するのが先かな)
俺は頭の中で、腕試しにちょうどいい場所を検索する。
候補は無数にある。
今の俺たちの実力なら、いきなり魔王の城に挑むなどということでもなければ、基本的にどこに行っても切り抜けられるだろう。
どうせなら日帰りで帰って来たいので、この近くにある場所に限定。
あまり命の危険や厳しい罠がないという条件も付け加え、せっかくだから有益なアイテムが手に入る場所、とすれば……うん、そろそろ一つに絞れる。
「よし、じゃあ今日は『流水の洞窟』に行こうか」
俺は次の目的地を決めた。
一応アサヒに外出の許可を取りに行ったが、アサヒはこちらが驚くほどにあっさりと許可を出してくれた。
娘も連れていくというのに、行き先さえ訊きもしない。
信頼されている、ということだろう。
むしろ困ったのは、その場にいたドジっ子女中さんが俺たちが冒険に出ることを聞きつけ、
「じゃあわたしが、何か日持ちする物を作ってあげますね!」
なんて言って、なぜか張り切ってお弁当を作り始めたことだろうか。
そもそもクーラーボックスがある俺に日持ちする食べ物は必要ないし、作るのがこのドジっ子さんという時点で正直悪い結果しか思い浮かばない。
俺は必死で断ったものの、結局押し切られ、
「みんなで食べて下さいね!」
と言って、大量のみたらし団子を渡された。
なぜに団子、しかもなぜにみたらし、とは思ったが、数あるお団子の中で唯一、みたらし団子だけは時間経過で劣化しないため、この世界ではみたらし団子は保存食として重宝されているらしい。
……うん、まああれだ。
食物系のアイテムは数が多い上に設定も適当だから俺もあまり把握していないが、団子単体じゃダメなのに、みたらしかけた途端に団子が保存食になる訳がない。
『猫耳猫』の風物詩、いわゆる一つのバグという奴だろう。
バグが地味に日常生活に浸透している『猫耳猫』世界に驚嘆の念を覚えながらも、俺はそのみたらし団子を受け取った。
味については……まあ、とりあえず砂糖と塩は間違えてるんじゃないかな、とだけは言っておく。
紆余曲折あって遅くなってしまったものの、俺たちは無事に道場を出発、日が沈む前に『流水の洞窟』に着くことが出来た。
『流水の洞窟』というのは、レベル110のダンジョン。
分かりにくい場所に入り口があるせいか、このダンジョンは王都に近い割に敵レベルが高い。
レベル的に言えば、俺やリンゴよりも若干格上のはずである。
のだが、
「やっぱり二人とも、凄まじいな」
俺たちはそんなことを全く感じさせない破竹の快進撃を続けていた。
ここで出て来る敵はウォーターエレメント一種類。
なんか無重力空間に浮いているでっかい水の塊みたいな奴が、広めの洞窟の中をふらふら飛んでいるのだが、ぶっちゃけそんな物はリンゴの雷撃の的でしかない。
脇差を持ったリンゴの攻撃力はとにかく凄い。
格上のはずの敵を雷撃の一撃で次々と葬っていく。
その様はもはや、倒しているというよりは薙ぎ倒していると言った方が近いだろう。
一撃で倒してしまっているので、逆に雷撃の威力の底が見えない。
腕試しとして成功しているのか失敗しているのか、微妙な所だ。
ミツキも相手が空にいるのに全く関係なく攻撃していて、なんか跳び上がったなと思ったらもう敵がやられている、みたいな早業で次々とエレメントを撃墜していっていた。
ちなみに二人に攻撃を控えてもらって、俺も強化した不知火で横薙ぎを使ってみたが、一撃で倒すことが出来た。
とりあえず俺もリンゴも、レベル110程度の敵を一撃で倒せるだけの攻撃力はあると分かっただけでも収穫だと思うことにする。
しかし、せっかく色々と考えて、実力不足でも敵を倒せるこのダンジョンを選んだのに、これではあまりに味気ない。
そこで不意に思いついた。
「あ、そういえば、くま。
お前も敵を倒してみるか?」
くまも牛を倒せるのなら、もしかするとレベル上げとかも出来るかもしれない。
まあ、この身体では流石に防具は装備不可能だろうが、武器が装備出来るなら何とかなる可能性はある。
少なくとも、瀕死の相手に脇差を突き立てるくらいなら出来るだろう。
くまがうなずいたのを確認して、俺はにっと笑った。
「じゃあリンゴ、くまに脇差を渡してくれ」
いくら高威力の脇差があるとは言っても、くまが攻撃を受けたら一撃で倒されてしまうなんてことも考えられる。
俺はまず、ゲーム知識を活かしてウォータエレメントを充分に弱らせることにした。
「実はこのウォーターエレメントってモンスター。
空に浮いてるから倒しにくそうに見えるんだが、本当は弱点が多くて凄く倒しやすいモンスターなんだ。
まずは……」
俺はまず、ウォーターエレメントに向かって赤いボールを投げる。
道具屋で大量に買ったアイテムの一つ、赤の球。
球系のアイテムはダーツと同じ固定ダメージを与えるタイプの消費アイテムだが、これには色に対応した属性がついていて、何かに当たると弾け、周りに属性ダメージをまき散らす。
とはいえ、一個50Eの安物だけあってダメージは10しか与えられず、属性耐性があれば軽減されてしまうが、
「動きが、止まった?」
このウォーターエレメントには有効だ。
エレメント系のモンスターは、弱点属性の攻撃を受けると一定時間硬直して身動きが取れなくなるという習性がある。
そして、エレメントの中でもウォーターエレメントは、さらに大きな弱点を持っている。
「まずは、火属性攻撃で動きを止めるのがセオリー。
その後は……」
俺は次に、鞄から取り出しておいた二つの薬を相手にぶちまける。
緑と黄色の薬液はウォーターエレメントにぶつかって混ざり、青かったはずのエレメントの身体が緑と黄色に変わる。
「今のは毒薬と麻痺薬。
こいつは身体が液状のせいか、液体系の毒が100%効くんだ。
で、こいつは毒状態の上に麻痺状態になった訳だから、あとはやりたい放題。
ま、今回の場合は……」
間髪入れず、俺は脇差の代わりにリンゴから譲り受けた黄金桜を構え、
「『涅槃前』!」
忍刀のスキルを発動させる。
『涅槃前』とは手加減用スキル。
致死性のダメージが入った場合でも、HPを1だけ残すことが出来る便利スキルだ。
まさか、麻痺して動かなくなった敵に攻撃を外すはずがない。
俺の一撃は見事にウォーターエレメントの身体を捉え、
(手応えありっ!)
そのHPを1にする。
完璧に決まった。
あとは動けなくなった上に、HPが1になったウォータエレメントをくまが倒せば……。
「……あれ?」
そんな皮算用をする俺の前で、黄緑色になったウォーターエレメントの身体がぐらつき、地面に落ちる。
そいつは濁った色のまま、ゆっくりと空気に溶け、そのまま消えていった。
「え? なんで…?」
混乱する俺に、ミツキがぼそりと言った。
「……毒状態でHP1にしたら、当然すぐ死にます」
「あ……」
何とも言えない沈黙と、切ない空気が洞窟に満ちる。
ミツキの猫耳が「なんか、こっちがはずかしいよ……」とばかりに伏せられていたのが、何だかやるせなかった。
意気消沈していると、すぐに新しいウォーターエレメントが湧き出してきた。
俺は気まずくなった空気をごまかそうと声を張り上げた。
「き、気を取り直してもう一匹行こう!
要は毒薬を使わなければいいんだ、麻痺毒だけを使えば、くまのために手加減することも……」
言いかけた俺の横を、銀閃が走る。
「へ?」
その向かった先を見ると、いつの間にかウォーターエレメントの真ん中に脇差が突き刺さっている。
あわてて振り返ると、くまの手には脇差はなく、その手は何かを投げたかのようにウォーターエレメントの方に向けられていた。
「投擲スキル……」
俺は呆然とつぶやいた。
流石今まで数多のプレイヤーを葬ってきたスキルの威力は健在で、ウォーターエレメントは脇差が刺さったまま地面に落ち、そのまま空気に溶けて消えた。
「俺の、意味……」
何とも言えない沈黙と、切ない空気が洞窟に満ちる中、ただくまだけが楽しそうにニタァと笑っていた。
例によってウォーターエレメントが弱過ぎたためにはっきりとは確認出来なかったが、あの固有スキルは誰が使っても威力が同じかもしれないという疑惑が浮上した。
ますますアサヒの存在意義を疑うような要素が出て来たが、今の俺にそんなことを考える心の余裕がなかった。
それでも探索は憎らしいほど順調に進む。
敵が二匹以上の時はリンゴが雷撃で、一匹だけの時はくまが投擲で倒していき、俺たちはすぐにボスの間までたどり着いた。
ボスはでっかいウォーターエレメントだったので、俺は今までの鬱憤を晴らすかのように即座に赤の球を投げつけ、麻痺薬をぶつけ、動けなくした所を滅多刺しにした。
完全に八つ当たりである。
ただ、おかげで俺は冷静な思考を取りもどし、ボスのドロップとして水属性の槍とマジックシードまで手に入れた。
(まあ、とりあえずはこれでよかったってことで)
途中、結構かっこ悪い所を見せてしまったとはいえ、全体として見れば今日の内容は悪くなかった。
自分たちの成長は実感出来たし、まだ手に入れていなかった水属性武器を手に入れた。
ついでに言えば、ダンジョンのボスを倒すと、その場所の『魔物侵攻度』は大きく下がる。
これで、この一帯についてはしばらく心配する必要はないだろう。
しかし、そこまで考えた所で、引っかかりを覚えた。
(『魔物侵攻度』、か……。
やっぱり、無視する訳にはいかないよな)
実は、以前に『魔物侵攻度』という言葉を思い出した時から、俺には絶対に行かなきゃいけない場所があることを思い出してしまったのだ。
一応今の実力を試すという名目でワンクッション置いたが、あまり逃げてばかりもいられないだろう。
「二人とも、聞いてくれ」
だから俺は、意を決して口を開いた。
ミツキとリンゴ、それから頭の上のくまが俺を見る。
「今日の探索は、成功だったと思う。
俺たちが強いってことが再認識出来た。
だからこそ、どうしても行っておきたい場所があるんだ」
「どうしても行きたい場所、ですか?」
ミツキの言葉に俺はうなずいて、答える。
「ああ。ここから南の山脈、そのふもとにあるフィールド、『粘菌の森』だ」
俺はかなりの覚悟を込めて言ったのだが、二人の反応は今一つだった。
リンゴはたぶんその場所を知らないし、ミツキは逆に知っているがゆえに俺の危機感が理解出来ないのだろう。
案の定、
「そんなに警戒する必要がある場所なのですか?
確かあの森は、レベル120程度のフィールドだったと記憶していますが」
ミツキは猫耳を「へんなのー」とばかりに傾けてそう言ったが、それは『奴ら』の恐ろしさを知らない者の言葉だ。
『奴ら』が本当の活動を始めるのは、ゲームスタート時から。
それ以前に『奴ら』が動かなかったことについて、この世界がどう辻褄を合わせているのかは知らないが、おそらく俺がこの世界にやってきた瞬間、『奴ら』はゲームと同じようにこの世界の『侵略』を始めたはずだ。
このままではこの世界は『奴ら』に支配されてしまう。
だから俺は、手遅れになる前に『奴ら』を止めなければならない。
『粘菌の森』の主にして、『猫耳猫』プレイヤーたちに、
「悪魔、悪魔だ。黄色い、悪魔…!」
「一匹見たら、一万匹いると思え」
「こいつら絶対俺たちよりたくさんモンスター倒してるよな」
「俺たちがRPGやってる裏で、なんかこいつらだけ戦略シミュレーションやってんだけど」
「街へいこうよ 粘菌の森」
「戦況システムって、こいつらのためだけに作ったんじゃね?」
「多分、猫耳好きのスタッフの中に、一人だけ変なものの愛好家が混ざってる」
「作り込みとかこだわりとか半端ない、悪い意味で」
などと言わしめた、『猫耳猫』史上最悪のモンスター、『イエロースライム』たちを!!
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