現役時代、ファンに愛されたオマリーコーチ

　いよいよ“虎のゴメス”が誕生する。阪神は４番候補の新助っ人、マウロ・ゴメス内野手（２９＝ナショナルズ）と現地時間２１日（日本時間２２日）に米国・ロサンゼルスで正式契約をする。この席にはトーマス・オマリー打撃コーチ補佐（５２）も同席。早速、虎党に愛される助っ人になるためのノウハウを伝授する。

　来季の猛虎打線の鍵を握る新主砲・ゴメスとの対面を前にオマリーコーチは「彼は全く新しい環境の中で野球をやることになるので、できるだけいろいろな情報を与えたい。僕の仕事は外国人選手を助けること」と意気込みを語った。オマリーコーチ同席の狙いについて中村ＧＭは「日本の野球や環境を情報として提供すること」と説明しており、一日も早く日本球界になじんでもらうためにも契約直後からレクチャーが開始される。

　米球界より変化球が多いとされる配球面をはじめとする日本野球の特徴など野球の話題はもちろん生活面やファンサービスとアドバイスは多岐にわたる。その中でも期待されているのがオマリーコーチのように虎党に愛される選手になるための方法だ。もちろん打撃で大活躍してもらうことが最優先だが、虎党の大声援を受けてプレーする環境が整えばゴメスの力強い後押しになる。

　そこでオマリーコーチだ。現役時代は勝負強い打撃だけではなく「阪神ファンはイチバンヤァ～！」などのお立ち台パフォーマンスでも虎ファンを大喜びさせた。引退後も前回のコーチ、駐米スカウト時代に甲子園球場のテレビＣＭに抜てきされるなど関西では絶大な人気を誇っている。

　このため球団関係者は「現役時代にそのトーク力でファンを沸かせたオマリーだからね。そのコツを伝えてほしい。お客さんに支持されるファンサービスやお立ち台での決めゼリフなどをオマリーからゴメスに伝授してもらうつもり。ファンが喜べばゴメスも気分よくプレーできるだろう。チームにも溶け込みやすくなるしね」とオマリーコーチの“指導”に大きな期待をかけているのだ。

　オマリーコーチは「“阪神ファンはイチバンヤァ～”は僕のものだからね」とゆずらないつもり。新甲子園名物となるゴメスの決めゼリフが誕生するかもしれない。