これではあまりにふがいない。WBA世界バンタム級タイトルマッチ(19日、韓国・済州島)で、王者の亀田興毅(27=亀田)は同級14位の孫正五(32=韓国)に大苦戦。後半は防戦一方で10回にはダウンを奪われた。何とか2―1で判定勝ちし、V8に成功したが、明らかに精彩を欠いた内容だった。かつての“師”も「興毅の負け」「時代が終わった」などと厳しく指摘。日本初の3階級制覇王者はついに“限界”に達したのか…徹底分析した。
興毅の判定勝ちがコールされると、会場は一瞬静寂に包まれた後、大ブーイングが巻き起こった。それも当然。4回まではすぐにでもKOしそうな勢いで攻めたが、5回に孫の右を顔面に食らうと形勢が逆転。10回には左フックでダウンを奪われた。ラスト2回も孫が手数で上回っているように見えたが、3人のジャッジはすべて興毅にポイントをつけ、辛くも判定勝ちした。
かつて興毅が所属していた協栄ジムの金平桂一郎会長(48)はテレビ観戦した感想を「細かく採点はしてないけど『負け』とみました。こっち(日本)でやっていても負けていたでしょう」。
相手の孫は昨年8月にスーパーフライ級の韓国王座獲得に失敗。その後10、12月にノンタイトル戦を行い、今回が約11か月ぶりのリング。WBAのランクは今年5月まではスーパーフライ級で、バンタム級の実績がないにもかかわらず6月に突如15位にランクイン。試合前からその実力が疑問視されていた。
そんな格下相手にあわや…の場面を作られての大苦戦防衛。日本人世界王者の海外防衛は史上4人目、日本のジム所属世界王者の防衛回数でも歴代4位タイとなったが、金平会長は「以前なら2~3ラウンドで倒していた相手。一つの時代が終わったのかな」と手厳しかった。
興毅は「コンディションは良かったけど、リングに上がったらぴりっとしなかった。これも含めて実力。プロ10年ここまでやってきたし、1回考え直して、見つめ直したい」とコメント。これを聞いた金平会長は「モチベーションの問題が大きいのでは?」と王者の現状を分析する。
興毅は3階級制覇王者であると同時に「亀田プロモーション社長」の肩書もある。
普段から練習の合間には自ら車を運転してスポンサー回りに奔走し、地方興行の際は打ち合わせのために現地に赴くことも。年明けにはジムが世田谷に移転することもあり、今秋は準備に追われた。
さらに8月には末弟の和毅(22)がWBOバンタム級タイトルを取り「三兄弟世界王者」のギネス記録を樹立。9月には次弟の大毅(24)が2階級制覇を達成し「三兄弟同時世界王者」もプラスされた。
ボクサーと経営者の二足のワラジ。弟たちの快挙で「亀田家の夢」はすべて実現したことによる達成感。10年間のプロ活動による“勤続疲労”…。こうしたことが重なって、モチベーションが上がりきらなかったというわけだ。
金平会長はかつて、WBC世界フライ級王座を9度防衛した名王者の勇利アルバチャコフがV10戦で敗れ、一気に引退に至った経緯を目の当たりにした。「いつもなら試合1週間前ぐらいからピリピリして人を寄せ付けないのが、V10戦前は気軽にサインに応じたりしていたんです」。すべてはモチベーションの低下が原因だったという。
興毅も“限界”に達したということなのか。金平会長は「普段の練習を見ているわけじゃないから、今日の試合だけを見て『限界』とか言うことはできない」としながら「モチベーションが低下しているとしたら、これを戻すのは容易ではない。『4階級制覇』とか、今後の展望が開けるような試合じゃない」と案じる。
「疑惑の判定」と言われても仕方のない消化不良の試合。“限界説”に反発したいのなら、今回回避したWBAスーパー王者のアンセルモ・モレノ(28=パナマ)との統一戦をやる以外にないが、果たして…。
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