昔から卵、とりわけ生卵が大好きなのだが、韓国の卵はまずい。ソウルで半年ほどホテル暮らしをしたことがある。朝はハムエッグにジュースに…お決まりのコースだが、なぜか4日目に「卵の顔」を見るのも嫌になった。
後になって、「日本以外の国の鶏卵はサルモネラ菌の危険性が高いので必ず加熱調理したものを」と栄養学者から教えてもらった。
そういえば、韓国人はまず生卵を食べない。ビビンバ(=韓国の混ぜご飯)の上に載っている卵も必ず目玉焼きだ。せいぜい生っぽいのは、熱いソルロンタン(=牛の肉・骨を煮込んで作るスープ料理)に、落とし卵をするぐらいだろうか。
李明博(イ・ミョンバク)政権の時代に、大統領夫人の金潤玉(キム・ユノク)氏が自慢の卵料理のレシピを公開したことがある(朝鮮日報2011年1月31日)。
大統領が食欲のない時にも好んで食べる料理だそうだ。その作り方は、(1)土鍋で飯を炊き、蒸らし終わる直前に、真中にへこみをつくり、そこに生卵を落とす(2)蒸らし終えたら、しょうゆ(好みによってゴマ油も)を加え、スプーンでかき混ぜて食べる−というのだ。
生卵を食べられない国ならではの「半熟卵かき混ぜご飯」といった感じだが、韓国ではこれが「料理をする」という範疇(はんちゅう)に入るらしい。ちなみに、朝鮮日報の見出しは「李大統領夫人が教える韓国料理レシピ」。
夫人はもう1種類、別のレシピも「公開」している。