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【サッカー】

【目撃者】「競争原理」こそが勝ち切る強さの原動力

2013年11月21日 紙面から

 酒井宏がクロスを上げ、柿谷がキッチリ決めた。堂々とした森重の安定感は群を抜き、致命的なミスを犯した酒井高も持ち直した。この4人の共通項は? そう。序列を覆そうとする「競争原理」こそが、勝ち切る強さの原動力だった。

 オランダ戦からスタメンは6人入れ替わった。ベルギーのウィルモッツ監督が驚いたかどうかは分からないが、少なくとも報道陣は「奇襲」に目が点になった。川島、香川はもともと主力組で、柿谷は準レギュラー級としても、森重と酒井高は5戦ぶり、酒井宏にいたってはコンフェデ杯・メキシコ戦以来、約5カ月ぶりの先発出場という待望の好機。指をくわえて見過ごすほどお人よしではない。

 「(これまでは)途中出場が多くスタメンはあまりなかったので、チャンスだと思って気合が入っていた。代表チームは誰が出てもクオリティーを保ちたいと、みんな思っている」とは酒井宏。そんな言葉が実体を伴うかどうかは、やはり自らのプレー次第。前半37分、柿谷のヘッド弾を導く絶好の高速クロスには、酒井宏だけが持ち得る「強み」が凝縮していた。

 限られたメンバーによってスタメンが長らく固定化され、チームの成長はほぼ頭打ちだった。10月のセルビア、ベラルーシ戦で停滞現象が顕在化した。そこで、ザック監督は決断した。遅ればせながら−だが。

 相手はFIFAランク5位、しかもアウェーだ。額面上は大金星なのだが、とてもそんな気はしない。選手やベンチに安堵(あんど)はあっても歓喜はなかった。そこに価値がある。「勝つべくして勝った試合」という長谷部のコメントがしっくりくる。

 「まだW杯に行くメンバーは決まっていない」

 ザック監督の言葉を信じれば、競争原理の導入はまだ序章かもしれない。 (松岡祐二)

 

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