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【サッカー】

本田 初アウェー弾、初右足ゴール 世界5位ベルギー撃破

2013年11月21日 紙面から

◇国際親善試合 日本3−2ベルギー

 【ブリュッセル松岡祐司、原田公樹】サッカーの日本代表は19日、当地で行われた年内最後の国際親善試合でベルギー代表と対戦し、3−2で逆転勝ちを収めた。ミスから先制されたものの、前半37分にはFW柿谷曜一朗(23)が同点弾。後半にMF本田圭佑(27)、FW岡崎慎司(27)が追加点を奪った。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで44位の日本は、同5位に躍進するベルギーを敵地で撃破。来年6月のワールドカップ(W杯)本大会へ大きく弾みをつけた。

 どよめき、ため息、歓声…。さまざまな声が渦巻くボードワン国王スタジアムで、無表情の本田がもみくちゃにされていた。1−1の後半8分、ゴール前中央。遠藤からの横パスを本田は右足で収めた瞬間、すぐさま左足で右側へ持ち出し、そのまま利き足ではない右足を振った。

 2戦連発。代表通算20点目。アウェーでの得点が自身初めてなら、右足弾も初めてだった。

 本田は喜びをおくびにも出さず、こう言った。

 「結果はうれしい。内容は(ベルギー遠征の)2試合とも自分たちのサッカーがやれて、良いところが出たのが次につながる収穫だった」

 追いつき、追い越し、勝ち越した。それもデカい。それにも増して、ベルギーとがっぷり四つに組み、正攻法で打ち破った。それがとてつもなく大きい。「内弁慶」と評された日本にあって、敵地ならなおさらだ。

 ベルギー戦の2日前、本田は「(日本を)なめているやつは一人一人ぶっつぶすだけ」と豪語した。そう語るだけの勝算があった。屈強な大男たちに体をぶつけられても倒れない。懐に収めたボールは奪われない。ドリブル、パスは自在だった。プレミアリーグで活躍するアザール(チェルシー)でもフェライニ(マンU)でもなく、ピッチに君臨した王様は本田だった。

 ピッチ外の存在感も際立っているという。宿舎の食事会場などで本田は若手に声を掛け、アドバイスすることをいとわない。むしろ好んで、助言を送っている。本田を中心にした議論は夜遅くまで及ぶこともしばしばなのだという。星稜高時代の恩師、河崎監督はこんなことを言っていた。

 「ボキャブラリーではなく、発信力がすごいんだ。広告代理店みたいな男よ。周囲を巻き込んでいく力は生まれ持ってのもの」

 停滞、閉塞(へいそく)…。チームがもつれた時こそ、圧巻のプレーでけん引する。本田なくして、W杯は語れない。 (松岡祐司)

 

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