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激痛・転倒の真犯人!足のツメ変形の恐怖
2008年07月02日放送
「足の爪(つめ)」というと、思い出した時にテキトーに切るというイメージではないでしょうか。しかし、最近の研究では、ひとたび足のツメにトラブルが起こると転倒の危険が2.3倍になることが明らかになりました。今や医学界が「足の爪の切り方」に本気で取り組んでいるのです。
これまで見向きもされなかった、足ヅメのトラブル予防法・治療法を一挙公開します!
「どうして? 爪の異変で「指」が消える!」
街ゆく人々の足ヅメの形を大調査。すると、爪に「カーブ」がある人たちは、バランス感覚が良くないことがわかりました。足の裏にかかる圧力を見ると、指をほとんど使っていません。爪に問題がない人たちと比べると、片足立ちの平均記録に倍以上の差が出たのです。
爪の「カーブ」とは、爪の「両はじが丸まっている状態」のことで、一般的には「巻き爪」とよばれる症状です。一見痛そうですが、調査に参加した人の多くに痛みの自覚はありませんでした。
研究者の調査によると、爪にトラブルをもつ人々は、転倒の危険が2.3倍にあがります。痛みがないのにバランスを崩す原因は、足の親指に集中して存在する「メカノレセプター」の働きによるものだと考えられます。
メカノレセプターとは、足の裏にかかる圧力の強さを敏感に察知し、バランスを崩さないよう、体の姿勢や傾きを制御しているセンサーのことです。
爪のカーブによって食い込みができると、親指は圧力をかけ過ぎている状態になります。その結果、メカノレセプターは「すでに圧力はかかっている」と判断。無意識的に踏み込みを避けようとする働きをすると考えられます。
「それはたった1回の爪切りから始まった!」
ある女性のケースを紹介します。Aさんはある日、「爪のフチが切りにくい」と感じたのですが、普段どおり爪を切りました。
しかしその後、爪を切ると巻く、痛みが出たので切ると再び巻く……という繰り返しになってしまいました。ついには満足に歩くこともできなくなり、6回もの転倒事故に見舞われたのです。
この「爪切り→巻く→痛む→爪切り→巻く→痛む……」という巻き爪の悪循環。実は「爪切り」と「巻く」の間に、巻く原因となる「決定的な要素」が隠されていました。
「爪が巻く最大の原因は「圧力不足」」
毎日のように重い物を運ぶ人や、ボーリング歴50年の人、ロッククライマーの人の爪を調べると、「平ら」であることが判明しました。その一方、裁縫歴40年の女性はもともと平らな爪だったものの、指を針で傷つけ使えなくなってから「巻き爪」になってしまったといいます。
実は爪には、もともと指のカーブに沿って巻こうとする性質があり、指のお腹に圧力が加わることで、その形を平らにキープしていたのです。
なぜ爪切りで巻き爪になるの?
では、巻き爪を招いた元凶となった爪の切り方とは、どういうものなのでしょうか? Aさんの当時の爪の切り方は、爪の先の肉の部分が見える程度に、白い部分を残すというものでした。
しかし、このように爪を切ると、歩行時に踏み込む圧力で、爪の両端に見えている肉の部分が盛り上がってきます。これは、圧力がかかって肉に爪が食い込んだのと同じ状態です。
すると、親指に集中して存在するメカノレセプターが食い込みに反応し、「すでに圧力はかかっている」と判断してしまい、踏み込みを避けようとします。その結果、指に圧力不足が起きて、爪が巻いていくのです。
正しい爪の切り方
「深爪」というと、爪のピンクの部分まで切ってしまうイメージがありますが、実は爪の先の肉の部分が見えていたら深爪なのです。正しくは、白い部分で肉を隠しておく必要があります。指の形に沿って爪を切ることに注意してください。
「フツーに買ったのに… クツがクツー(苦痛)なワケ」
巻き爪のもう1つの原因は、靴が足に合っていないことです。
日本の靴のサイズは、長さだけでなく「足回り」までが日本工業規格(JIS)で厳密に定められています。ところが、サイズ表記には知られざる落とし穴があったのです。
靴作りに欠かせないのが「靴型」ですが、靴型の寸法とできあがった靴のサイズ表記を比べると全然違います。ためしに「23EE」の靴型をいくつか測ってみると、寸法はバラバラでした。
実は日本の靴のサイズ表記は、「実際の靴の寸法」を表しているのではなく、そこに入る足のゆとりを考慮して各メーカーが独自に設定しています。だから、同じサイズ表記でも実は自分に合っていないということが起きるのです。
巻き爪を招くのは「小さすぎる靴」と「大きすぎる靴」
小さすぎる靴を履いていると、爪や指を圧迫します。傷ついてしまうと、次第に痛みをかばうようになります。すると圧力不足で爪が巻くようになるのです。
大きすぎる靴は足が中で前すべりしてしまうので、小さすぎる靴と同じように、爪や指を圧迫してしまいます。
理想の靴は「カカトぴったり、指ゆったり」
靴を選ぶときは、前すべりしないように、カカトをしっかり固定できるものを選んでください。指先には1センチ程度のゆとりがあると理想的です。
よく「かかとに指が一本入る程度のゆとり」とよく言われますが、実はそうした靴では、足が前すべりしてしまうのでよくありません。
「発想の転換!ツメを広げつつ伸ばす」
患者のAさんが選んだ治療法は、ワイヤーを使って爪の形を矯正するというものです。治療爪に穴を開け、形状記憶合金でできたワイヤーを通します。元に戻ろうとする形状記憶合金の力を利用して、丸まった爪を本来の形に戻してゆくのです。
ワイヤーを通す穴は爪の白い部分にあけるので、痛くありません。爪の形が元に戻っていく過程で軽い痛みや違和感がでる場合がありますが、治療前の痛みに比べるとずいぶん楽になったとおっしゃる患者さんが多いようです。
症状が軽い場合は、自分で治せる可能性もあります。痛みがなければ、指の肉が爪で隠れるぐらいまで爪を伸ばしてください。
なお、爪を伸ばすのに痛みを伴う場合は、肉に食い込んだ爪の角に脱脂綿などをつめると、楽に伸ばすことができます。
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