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コラム:コモディティと株の逆相関化が示す経済正常化

2013年 09月 5日 13:49 JST
 
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世界経済は、コモディティと株式の逆相関を再正常化の具現化だと考えるにはなお足場が弱過ぎる。中央銀行の政策変更が話題になっているとはいえ、金融環境はなお異例なほど緩和的だ。金融市場にはなお片づけなければならない多くの歪みが存在するし、状況が変わって相関係数がプラスに戻るケースもあり得る。

だが、これまで蓄積されてきた緩和マネーよりも、ファンダメンタルズに基づく価格形成が力が取り戻してくる可能性がある。投資家やコモディティ生産者にとっては、最近の価格のばらつきは、事態の健全な進展を形作る要素の1つといえる。

<背景となるニュース>

*トムソン・ロイター/ジェフリーズCRB指数とMSCI世界株価指数の200日相関係数がマイナスに転じた。この相関係数は2009年以降はプラスが続いていた。現在はマイナス0.5で、金融危機後の大半の期間はプラス0.6以上だった。

*バークレイズ・インベストメント・バンクによると、各コモディティ間の相関係数もプラス幅が縮小している。バークレイズは「コモディティと株の長期にわたる順相関が終わったと言うのは時期尚早かもしれない。しかし最近の動きは、昨年終盤からの相関係数の持続的なプラス幅縮小傾向の一部だ」としている。

*相関係数はプラス1からマイナス1までの値を持ち、各資産クラスの関係を見る場合は、プラス1なら完全な順相関、マイナス1なら完全な逆相関を表す。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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