ウォン高止まらず 韓国当局が共同対応の可能性
【ソウル聯合ニュース】ウォン高・ドル安の流れが止まらず、韓国金融当局が「座視しない」との姿勢を示した。
ウォン・ドル相場は今年の最高値(1ドル1054.3ウォン)の更新が目前に迫り、1ドル=1000ウォンを切るウォン高になれば輸出への悪影響が懸念される。
ドルを数える市中銀行の関係者(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国銀行(中央銀行)関係者は20日、「為替相場の変動が急激だ。(ドルが)一方的に売られ買いがない状況が最大の懸念材料」との見解を示した。
急激なウォン高を受けて当局は前日、複数の銀行を通じ為替相場の変動幅を抑制する「スムージング・オペレーション」に乗り出したとされる。ある市中銀行は「特別な要因はなかったが終盤にドル買い注文が相次ぎ、1ウォン程度ウォン安になった。終値の管理をしたようだ」と説明した。
19日の為替相場は一時1ドル=1054.8ウォンまでウォン高が進み、今年の最高値にあと0.5ウォンまで迫ったが、当局の介入と推定されるドル買い注文により1ドル=1056.4ウォンで取引を終えた。
市場ではウォン高がさらに進み年初来高値を更新した場合、当局が大規模な共同対応に乗り出すとみている。一部では当局の行き過ぎた市場介入を警戒する声もあるが、急激なウォン高と投機的な取引を事前に防ぐため介入は避けられないとの見方が大勢だ。
また、ウォン高を抑えるため公共企業の外貨借り入れ制限措置も当分維持されることになった。企画財政部関係者は「為替リスクを管理するため外貨借り入れを抑制するようにしている。特別な投資目的でなければ公共企業が外貨で借り入れる理由がない」と説明した。
さらにウォン高による中小企業の輸出への被害を最小化するため、金融監督院は今月から来年4月まで、中小企業に対する銀行の先物為替の手数料を50%割引く。為替変動による損失が制限される合成先物為替商品も開発する。金融監督院関係者は「これらの方策が定着すれば中小企業が半年で最大100億ウォン(約9億4800万円)の手数料を節約できると推計される」と述べた。
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