東京五輪詐欺未遂！「近ツリ」かたりチケット「買え買え」

　岐阜県警高山署は１９日、２０２０年に開催される東京五輪の開会式入場券の売買を持ちかける詐欺未遂があったと明らかにした。まず、本物の旅行会社の名前をかたって入場券の購入を案内、別ルートから、高額で買い取ると持ちかけ、入場券代金分をだまし取ろうとする“買え買え詐欺”の手口。東京五輪に関する詐欺の相談は、最近増えており、国民生活センターが注意を呼び掛けている。

　高山署によると、１０月上旬ごろ、高山市の６０代無職女性に、実在する「近畿日本ツーリスト」をかたり、五輪開会式の特別席の予約販売を案内するはがきや社員の名刺が郵送されてきた。その後、別の会社の社員を名乗る男から「案内はがきが届いていないか」と電話があり、「ＳＳ席なら４５万円、ＳＡ席なら４０万円で買い取ります」と話したという。

　女性が、「近畿―」の名刺の番号に電話すると「ＳＳ席は１２万５０００円で購入できる」とし、購入代金を宅配便で送るように指示された。不審に思った女性は、本物の近畿日本ツーリストの営業所に確認。「そんな事実はありません」と言われ、うそだと分かった。

　「近畿―」の社員をかたった人物と、別の会社の社員を名乗る男は当然「グルだと思われる」（高山署）。１２万５０００円の入場券を、４５万円で転売できる“おいしい話”と思わせ、購入代金を詐取するのが狙いとみられる。

　現在、東京五輪開会式の入場券は販売されていない。同署は「何年も先のことで、チケットが送られてくるはずがない。話題に便乗したもの」と注意を呼び掛けた。

　国民生活センターによると、９月の開催決定以降、東京五輪をめぐる詐欺的トラブルの相談が増えている。四国地方の７０代男性の例では、保有する未公開株を「五輪開催で株価が上がるので売らないか」と持ち掛けられ、売却を決めると、経費名目で現金を要求され、計２００万円を渡した。今回のように「代わりに買ってくれたら買い取る」と誘う“買え買え詐欺”の例も注意が必要だという。センターは「投資詐欺が疑われる相談もある。実在会社か調べるなど注意してほしい」としている。

（2013年11月20日06時05分スポーツ報知）