公開中の映画「ペコロスの母に会いに行く」(森崎東監督)に出演する女優・赤木春恵(89)が19日までに、同作で最高齢での映画初主演女優としてギネス世界記録に認定された。スポーツ報知などの取材に応じた赤木は親友だった「みっちゃん(森光子さん)もほめてくれると思う」といい、「身の丈に合った需要がある限り」と、先日コメントした引退示唆を撤回。ギネスパワーは女優魂を再燃させてくれそうだ。
認定証を手にした赤木は「びっくりするものをいただき、ギョッとしてます。英語で何と書かれているのかしら。アカギハルエは分かりましたけれど。長生きするものね」と穏やかな笑みを見せた。
世界最高齢での映画初主演女優は、08年菅井きん(87)が「ぼくのおばあちゃん」で82歳時にギネス認定。今回88歳175日とかなり上回る。いぶし銀の演技で脇役一筋だった赤木は「ペコロス―」は33年ぶりの映画。認知症の母(赤木)と息子(岩松了)の、おかしくも切ない日常を描いた。
旅立って1年の森光子さん(享年92歳)は長年の親友ならぬ“心友”。欲の少ない赤木に「どうしてもっと前に出ないの」と背中を押すこともあったが、今回の頑張りには「『章(あや)ちゃん良かったよ』と必ずほめてくれると思う」。“渡鬼”の石井ふく子プロデューサー(87)、“金八”の脚本家、小山内美江子さん(83)からも映画を見た連絡が。どれも「ありがたい激賞でした」。
認知症という難役にも「ドラマでも演じ、実母の介護も役立ち、難しくなかった。たくさんアップを撮っていただいて。主演みたいね」とおとぼけジョークも。一方で「一日でも長く上映され、一人でも多く来てほしい」と主演女優の責任感も見せる。来年3月で90歳。先ごろ「これが最後かも」と引退示唆のコメントも出た。
「自分ではまだ70代のつもりでセリフ覚えも全然平気。脚が悪いので正座する時代劇は無理ですけど。需要がある限り。肉体と精神、身の丈にあったものをね」。ギネス世界記録で消えかけた赤木の女優魂に、再び火が付いたようだった。
◆赤木 春恵(あかぎ・はるえ)本名・小田章子。1924年3月14日、旧満州生まれ。89歳。1940年松竹ニューフェース。43年大映、48年東映に移籍。59年森繁劇団参加のためフリーに。87年菊田一夫演劇賞。長寿テレビドラマに多く出演。代表作に「渡る世間は鬼ばかり」「3年B組金八先生」など。2011年夏、舞台出演からの引退を公表している。
[2013/11/20-06:05 スポーツ報知]