【ＢＯＸ】「亀田ジム」移転！お花茶屋から三軒茶屋へ

１７日、済州空港で出迎えのロールスロイスの前でポーズをとる亀田興毅

　プロボクシングＷＢＡ世界バンタム級王者の亀田興毅（２７）＝亀田＝が所属する亀田ジムが来年１月に都内の別の場所に移転することが１９日までに決まった。所在地は現在の最寄り駅のお花茶屋から三軒茶屋周辺に移り、大阪の天下茶屋から出てきた亀田家はまたも「茶屋」を拠点にする。ジム内には最新鋭の減量室を設置するなど準備費用は約５０００万円。また、初めて一般の会員を募集するという。

　「新生・亀田ジム」の全容が見えてきた。現在、東京・葛飾区にある亀田ジムが世田谷区に移ることになった。興毅は「デビューして１０年がたった。２０１４年は次の１０年の始まり。新しいスタートを機にジムを移転しようと思った」と理由を明かした。

東京都葛飾区にある亀田ジム

　一家が生まれ故郷の大阪・天下茶屋から０５年に上京した当時、住居を選ぶ際にこだわったのは「茶屋」という地名だった。京成電鉄の駅名「お花茶屋」を気に入り、現在の住居兼ジムを設けた。そして今回の移転地は三軒茶屋にほど近い。今春から防衛戦の合間を縫って物件探しをしていたという興毅は「今回はこだわっていなかったけど、３件目も“茶屋”になった。これも何かの縁やな」としみじみ語った。

　新ジムはビルの１、２階のテナントで計１９０坪の広さ。賃貸料や内装費など計５０００万円かかり、１２月中に完成予定だ。ガラス張りの外観の１階にリングを設置し、１０本以上のサンドバッグをぶら下げ、ジムワークのスペースとなっている。目玉は試合直前まで汗を絞り出すための減量室だ。

兄の世界戦応援のため、韓国で会場入りした亀田大毅（左）と和毅

　病院や老人介護施設などでも使用される最新鋭のミストサウナで、数百万円もする代物だという。現在、ジム内にある減量室は石油ストーブとエアコンを併用している。興毅は「今の減量室は空気が悪くて体に負担がかかる。新しいのは空気がきれいで汗もすごく出る」と秘密兵器に手応えを得ている。２階には床暖房が利いたスタジオやマッサージルームも併設する。

　フィットネスジムばりの設備には理由がある。これまで３兄弟だけが練習するプライベートジムの様相だったが、新ジムでは初めて一般会員を募ることにしている。

　亀田家といえば、至近距離からのピンポン球投げや棒の先にグラブをつけて顔面を突く珍練習が名物だったが、３兄弟に手ほどきされ、練習生も体験できるかもしれない。また「子どもたちも多く育てたい」とキッズ世代も募り、メキシコやフィリピンの同世代を招いてジム内で「亀田カップ」の大会を行う構想もある。

　興毅は引退後も視野に入れた本格経営に「５００人の会員は欲しいな。３兄弟以外の世界王者を生んでみたい」と夢を大きく持っている。

　◆亀田家のあゆみ
▽１９９８年　３兄弟が大阪・グリーンツダジムでボクシングを始める。
▽０３年１２月　１７歳の興毅がプロデビュー。
▽０５年４月　興毅が協栄ジムに移籍し、上京。
▽０６年２月　次男の大毅がプロデビュー。
▽同８月　興毅がＷＢＡ世界ライトフライ級王座を獲得。
▽０７年８月　三男の和毅がメキシコに武者修行へ。
▽同１０月　大毅が世界初挑戦でＷＢＣ世界フライ級王者の内藤大助に判定負け。
▽０８年８月　協栄ジムとの契約を解除し、亀田ジムを設立。
▽同１１月　和毅がメキシコでプロデビュー。
▽０９年１１月　興毅が内藤を判定で下して２階級制覇を達成。
▽１０年２月　大毅がＷＢＡ世界フライ級王座を奪取。
▽同３月　興毅がフライ級王座の初防衛戦でポンサクレックに敗れ、プロ初黒星。
▽同１２月　興毅がＷＢＡ世界バンタム級王座を獲得し、３階級制覇。
▽１３年８月　和毅がＷＢＯ世界バンタム級王座を獲得。世界初の３兄弟世界王者に。
▽同９月　大毅がＩＢＦ世界スーパーフライ級王座を取り、２階級制覇。