【ソウル=中野晃】韓国の国家記録院は19日、関東大震災の際の犠牲者や太平洋戦争中に徴用された約23万人分の名簿などが見つかったと発表した。韓国外交省によると、日本との国交正常化をめぐる1953年4月の第2次韓日会談に向け、当時の李承晩(イスンマン)政権が作成したとみられるという。

 見つかったのは、関東大震災の犠牲者290人と被徴用者22万9781人の氏名や死亡状況などの記録。韓国の独立運動「3・1運動」で犠牲になった630人の名簿もあった。韓国側は「関東大震災の具体的な犠牲者名簿の確認は初めて」としている。被徴用者の遺族らが新たに見つかる可能性もある。

 外交省の趙泰永(チョテヨン)報道官は19日の会見で「日本が過去にどれだけ悪いことをしたかが改めて明らかになった。日本側はよく認識すべきだと考える」と語った。