【ソウル=中野晃】中国政府で外交を担当する楊潔●(ヤンチエチー、●は竹かんむりに褫のつくり)国務委員(副首相級)が訪韓し、韓国の大統領府で18日、朴槿恵(パククネ)大統領と会談した。大統領府によると、朝鮮の独立運動家、安重根(アンジュングン)が1909年に中国・ハルビン駅で伊藤博文を暗殺した現場を示す碑の設置が議題となり、朴氏は「両国の協力でうまく進んでいること」に感謝し、楊氏も「円滑に進んでいることに満足している」と述べた。

 碑の設置は、6月の北京での習近平(シーチンピン)国家主席との初の首脳会談で朴氏が提案した。朴氏が改めて中国首脳部に協力を求めると同時に、歴史問題で日本に譲歩しない姿勢を示した。安重根は韓国では「民族の英雄」とされる。

 会談ではまた、北朝鮮の非核化や中韓FTA(自由貿易協定)の推進を確認。楊氏は、中韓関係を「徳不孤 必有隣」(徳のある者は孤立せず、必ず味方となる隣人がいる)という孔子の言葉にたとえた。楊氏は「近い将来の訪韓」を望む習氏の意向も伝え、朴氏も期待感を示した。

 中韓首脳は10月にもインドネシアで2回目の会談をしている。安倍晋三首相と首脳会談をしていない両国が、密接ぶりを演出する結果となった。