日本同人誌印刷業組合


【成人向け性表現を含む同人誌を作成されるサークルの皆様へ】

 同人誌は自分の作品を冊子にして、多くの人々に手にとってもらい、楽しんでもらったり、評論してもらうことに喜びがある自費出版活動です。私達印刷業を営む者はその活動のお手伝いができることに喜びを感じ、「表現の自由」の応援団たる立場に誇りを持ち続けたいと思っています。
 しかしながら「表現の自由」が保障されているとはいえ、法律に抵触しうるものまでを強引に押し通せるとは限りません。
 2013年4月19日に成人向けマンガ雑誌を出版する「コアマガジン社」に家宅捜索が入り、該当雑誌が休刊になりました。7月25日に同誌の編集者が、わいせつ図画頒布の疑いで逮捕されました。この事件を受けまして、一部の成年向けマンガ雑誌は、修正範囲を広げる・濃くする・モザイクをかけるといった対応を取っています。
 このように成人向け商業マンガ雑誌の性表現がより曖昧なものになっている以上、成人向け性表現を含む同人誌がこれまでの成人向けマンガ雑誌と同様の修正で対応した場合、結果として現状の成人向け商業マンガ雑誌よりも修正が少なくなることになります。これは、成人向け同人誌において問題が生じる危険性を高めることに繋がります。

 以上のことから、印刷可能な成人向けの性表現に対する修正は、以前よりも必然的に厳しくなりますので、ご理解の上、事前に成人向け性表現に対する修正をお願いします。なお、こうした成人向け性表現に関する修正基準は、個別の同人誌即売会毎ではなく、すべての同人誌即売会を対象とさせていただきます。
 しかし、即売会の基準と印刷会社の基準は必ずしも一致しないので修正については各印刷会社に直接お問い合わせください。
 なお、上記の件は刑法175条のわいせつ図画に関する問題であり、青少年健全育成条例とは異なる問題です。わいせつ図画は読み手の年齢に関係なく出版自体が処罰の対象となります.サークルさんにおいては、成年マーク・18禁マーク等をつければ良い、というわけではありませんので、念のためご注意ください。逆に、性表現の修正によって対応すべき問題を、ストーリーやキャラクターの変更が必要であるというような誤解もしないでください。

 我々印刷会社も、過去に、わいせつ図画の問題に関連して、刑法175条と児童ポルノ法・青少年健全育成条例を混同して誤ったお願いを一部のサークルに対して行いご迷惑をお掛けした事があります。今回はこの様な事が再び起きないように努めます。

 皆さんのご理解とご協力をお願いします。

                     平成25年11月19日
                     同人誌印刷業組合 理事長 阿戸貴之

【注意喚起】コミックマーケットにおける頒布物の表現について(コミックマーケット準備会)
http://www.comiket.co.jp/info-c/C85/C85Notice1.html
関連記事
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130725/crm13072512450007-n1.htm

 

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日本同人誌印刷業組合設立趣意

 現在、全国の同人誌即売会における年間の動員数は、延べ200万人を超えています。
 同人誌はまちがいなく、日本の若者の有意義な文化としての地位を占めるに到ったのです。
 この文化は、ここ十数年で大きく育ってきた若く、新しい文化です。そして産業であります。
 この青年のような、大きな未来をはらんだ産業に従事する私達は、それゆえに一致協力して、同人誌界をさらに充実、発展させていかなければならないと考えます。
 私達は、業界の拡大、同人誌文化の地位向上を目指しながら、技術とサービスの向上、経営の安定と発展を達成すべく、ここに日本同人誌印刷業組合を設立するものです。
平成6年6月19日


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