「ウィキリークス」にTPP機密文書 年内妥結阻止狙う? 交渉国の対立 表に
(2013/11/19)
環太平洋連携協定(TPP)交渉の知的財産分野の協定草案とされる文書を先週、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した。日本政府は同文書の真偽は明らかにしていないが、政府関係者は年内妥結を望まない国によるかく乱行為とみる。懸念を持つ人が多い同分野を選んで文書を流し、TPP反対の声を高めたい思惑があるとの見方だ。
「首席交渉官や閣僚の会合前に、各国の反対運動に火を付けるのが狙いだろう」。日本政府関係者は、今回の文書を提供した人物が、20以上あるTPPの交渉分野から同分野を選んだ理由をこう推測する。
同分野は、TPP交渉の中でも最も意見対立が大きいとされる。特許や著作権の保護強化を求める米国など先進国と緩やかな規制を求める途上国との対立構図に加え、先進国内でも立場によって利害が相反するためだ。
当然、不安視する人の数も多い。各国でのTPP反対運動は、特許権強化による薬価高騰を懸念する医療関係団体が中心の場合がほとんど。こうした懸念の強い分野を選んで文書を流せば、他の分野より、反対の声を高めるには好都合というわけだ。2011年2月にも、米国の非政府組織(NGO)が同分野での米国の要求項目とされる文書を公開している。
各国はTPP交渉の年内妥結の目標を10月の首脳会合で確認し、12月上旬にはシンガポールで閣僚会合を開く。これに先立ち、19日から米国で行う首席交渉官会合で、難航分野を中心に論点を整理する段取りだ。このタイミングでの文書公開に交渉筋は「年内妥結をつぶしたい国があるということだ」と指摘する。
今回の文書流出騒動は、各国の思惑が錯綜(さくそう)していることも明らかにしたといえそうだ。