メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック
特定秘密保護法案―この修正はまやかしだ

自民、公明の与党とみんなの党が、特定秘密保護法案の修正に合意した。与党は、日本維新の会とも修正協議を続けている。安倍政権はこれらの党の賛成を得て、週内にも衆院を通過させたい考えだ。[記事全文]

特定秘密保護法案―外交の闇を広げる恐れ

特定秘密保護法案が成立すれば、過去の重要な外交文書はどう扱われるのか。それを暗示するような裁判がある。韓国と1965年に国交正常化するまでの記録を[記事全文]

特定秘密保護法案―この修正はまやかしだ

 自民、公明の与党とみんなの党が、特定秘密保護法案の修正に合意した。与党は、日本維新の会とも修正協議を続けている。安倍政権はこれらの党の賛成を得て、週内にも衆院を通過させたい考えだ。

 この法案は重大な問題を抱えている。何が秘密に指定されているのか分からないという「秘密についての秘密」が、知らぬ間に広がりかねない点だ。

 いち早く合意したみんなの党との修正は、法案のこんな危険な本質を改めるものではない。これをもって「秘密の際限ない広がりに歯止めがかかった」というみんなの党の言い分は、理解できない。

 修正の柱は、特定秘密を指定する外相や防衛相らに対する首相の指揮監督権を明記することだという。

 首相は、秘密の指定と解除などの統一的な基準をつくる。運用について必要があれば閣僚らに説明を求め、改善を指示する。こうした状況を有識者会議に報告し、意見を聞く。これで「第三者機関的観点からの客観性」を担保するそうだ。

 首相と閣僚という身内同士に形式的規定を設けたところで、一体どんな「客観性」が担保されるというのだろう。

 また、特定秘密に該当する情報として法案別表に列挙された23項目のうち、幅広い解釈を許す余地がある「その他の重要な情報」との表現を一部削る。

 代わりに「国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報」といった、やはり広く解釈できる文言を入れるという。

 これでは、賛成の理由をつくるための、まやかしの修正だと言われても反論できまい。

 日本維新の会は、独立したチェック機関の設置と指定期間の上限を30年とすることを要求している。一方、民主党は秘密の範囲を限定したり、第三者機関を設けたりするための複数の対案を国会に出した。

 野党は、「法案に問題あり」との一点で共闘するにはいたらなかった。そもそも個別に与党と協議するやり方で、抜本的な修正をのませることは難しい。結局、「議論は尽くした」という口実を与党に与えているだけではないか。

 日弁連や日本新聞協会、外国特派員協会、歴史や憲法の研究者、そして多くの市民団体が反対や懸念を表明するなか、安倍政権はたった2週間の審議で衆院を通過させ、成立を図ろうとしている。あまりに性急だ。

 それが「1強時代」の与党の流儀なのか。とても受け入れることはできない。

検索フォーム

特定秘密保護法案―外交の闇を広げる恐れ

 特定秘密保護法案が成立すれば、過去の重要な外交文書はどう扱われるのか。

 それを暗示するような裁判がある。

 韓国と1965年に国交正常化するまでの記録をめぐる訴訟だ。14年にわたる韓国との交渉の内容を開示するよう市民団体が外務省に求めている。

 裁判の経緯を振り返ると、いまでもひどい外務省の隠蔽(いんぺい)体質は、秘密保護法の下で、さらに強まると危惧せざるを得ない。

 韓国側の交渉記録は韓国政府が8年前に公開している。国交正常化のときに結んだ請求権協定をめぐる解釈が日韓で異なるため、市民団体は交渉過程で日本側ではどんな議論があったのかを見たいと求めている。

 外務省は表向きは、30年たった外交文書は公開することを原則としている。だが、実際には消極的な対応に終始してきた。

 「韓国や北朝鮮との今後の交渉で不利になる」というのが開示を拒む理由である。

 そもそも関連文書は全体でどれぐらいあるのか。国交がない北朝鮮はともかく、韓国との今後の交渉で不利になるとはどういった記録なのか。

 わからないことだらけだ。

 そんななか、東京地裁は昨年10月、非開示とするならその理由を説明せよと指摘し、請求があったうち約3分の2の開示を義務づける判決を言い渡した。

 政府は判決を不服として控訴したが、その一方で、それまで非開示としてきたものから大量の文書を自主的に開示した。

 外務省がかたくなに守り続けた秘密の一端が明るみに出た。市民団体の人たちはその中身を見て仰天した。黒塗りの下からは、思いもかけない「機密」が次々に出てきたからだ。

 たとえば竹島に関する文書で黒塗りされていたのは「アシカの数が減少した現在、経済的にはあまり大きな意義を有しないとみられる」だったという。

 そんな秘密の実態がわかったのは、政府の外からの圧力で、文書が公開されたためだ。

 もちろん外交には、一定の秘密がやむを得ないときはある。だが、この秘密保護法案が成立すれば、何が秘密にされているのかさえわからなくなる。

 秘密の範囲も秘匿の期間も、際限がなくなり、政府の閉鎖性にお墨付きを与えてしまう。

 外交の記録はすべて、のちの国民の目にさらす。それは当然の前提とすべきだ。

 政府は、後世の検証に耐えるような対外交渉を常に意識せねばならない。それで初めて外交力が鍛えられるのである。

検索フォーム

注目コンテンツ

  • ショッピングもらって嬉しいお歳暮ギフト

    ハズレなしの豪華海鮮セット

  • ブック・アサヒ・コムレトロ家電180点写真で紹介

    愛込めてツッコミも

  • 【&M】ピットウォークも終幕

    スーパーフォーミュラ第7戦

  • 【&w】スイーツ「ババ」って何?

    イケメン料理人太鼓判

  • 【&C】自分に合った保険を選ぶ

    「リスクと保険」を語る

  • Astand生活保護受給者がターゲット

    エリート医師のでたらめな医療

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014