2013.11.20 05:05(3/3ページ)

人生初ノック!虎・掛布DC「ヘイッ、ミスター」に燃えた

ノックをする掛布雅之DC=安芸市営球場(撮影・白鳥恵)

ノックをする掛布雅之DC=安芸市営球場(撮影・白鳥恵)【拡大】

 「掛布さんの映像は見たことがないです。写真で見て、下半身がすごいな、と。指導では、冗談言ったり、話しやすい環境を作ってくれます」

 三塁へのコンバートに取り組んでいる今成にとって、同じ三塁手であり、同じ右投げ左打ちの掛布DCは、これ以上ないお手本。この日も三塁ベース付近で掛布DCからアドバイスを受けるシーンもあった。大スター掛布を生で知らない世代でも、間近で接することで偉大なるタイガースDNAを肌で感じ始めている。

 20日で秋季キャンプは打ち上げ。ミスターにとっての二重のハプニングはまだ序章に過ぎない。距離を縮めた掛布教室の続編。2014年、若虎に必ずや変革をもたらすはずだ。(上田 雅昭)

★ミスタータイガース

 初代は球団創設時から在籍し、通算打率・300、224本塁打、1126打点の藤村富美男。村山実は通算222勝を挙げ、豪快なフォームからザトペック投法の異名をとった。10年間在籍し、虎通算320本塁打、735打点の名捕手・田淵幸一もそう呼ばれた。本塁打王3度、打点王1度の掛布雅之は85年に4番として球団初の日本一に貢献した。

★地獄の伊東C

 ミスターといえば、巨人終身名誉監督の長嶋茂雄氏。監督時代はノックバットを握ることも多かった。5位に終わった1979年のオフには、当時43歳の長嶋氏が秋季キャンプで18人の若手選手をシゴキ抜いた。中畑清、篠塚和典、江川卓、西本聖らが参加。

 のちに“地獄の伊東キャンプ”と呼ばれ、千本ノックでは中畑が返球を捕手ではなくバットをもつ監督に全力で投げ返すなど激しいやりとりも。ランニングでも、監督の「ホラ、走れ!」という掛け声に、篠塚が「お前が行け! バカヤロー!」と叫ぶなどしたが、ここでプロとしての礎を築くことになった。

(紙面から)