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COP19閣僚級会合始まる「必要なのはリーダーシップ」
11月20日 5時19分

地球温暖化対策を話し合う国連の会議COP19で、温室効果ガス削減の新たな枠組み作りを巡って、先進国と途上国の対立が続くなか、日本時間の19日夜遅くから閣僚級の会合が始まり、国連のパン・ギムン事務総長は「今、必要なのは政治的なリーダーシップだ」と述べ、各国に交渉を前進させるよう呼びかけました。

ポーランドで開かれているCOP19では、2020年からすべての国が参加して始める温室効果ガス削減の新たな枠組み作りのための協議が行われていますが、先進国と途上国の間で主張の隔たりが大きく、政府関係者によりますと、焦点の一つである各国が削減目標を提出する時期については、事務レベルの交渉で合意を得るのが難しい情勢になっています。
こうしたなか、日本時間の19日午後11時半すぎから、国連のパン・ギムン事務総長や各国の閣僚級が参加する会合の開会式が開かれました。
この中で、パン事務総長は「今、必要なのは政治的なリーダーシップだ。将来の世代に何を残していくのかを考えてほしい」と述べ、各国に交渉を前進させるよう呼びかけました。
閣僚級の会合は今月22日まで開かれる予定で、新たな枠組み作りを巡って先進国と途上国の対立が続くなか、再来年のCOP21での合意に向けて、どこまで道筋をつけられるのか注目されます。
また、開会式では、途上国の代表としてフィジーの閣僚が「重要な先進国が以前に約束した削減目標を大幅に引き下げることを発表した歴史的な会議だ」と述べ、日本が新たに策定した温室効果ガスの削減目標で、数値を引き下げたことを批判したとみられます。
この目標については、石原環境大臣が日本時間の20日の会合で行う演説で説明することにしていて、日本の取り組みに各国の理解が得られるかも注目されます。

比代表の発言に共感60万人の署名

一方、COP19では台風で壊滅的な被害を受けたフィリピンの政府代表が涙ながらに交渉の進展を訴えましたが、この発言に共感して、交渉の進展を求める署名が60万人を超えたことが分かりました。
COP19の初日の会合では、台風の直撃で壊滅的な被害を受け、多くの犠牲者が出たフィリピンの政府代表、ナデレブ・サニョさんが「私たちはこの異常気象を変えることができる」と涙ながらに訴え、会議で成果が出るまでは何も口にしないとして、今もハンガーストライキを行っています。
これを受けて、国際的な環境NGOが、交渉の進展を求める署名をインターネットで募ったところ、サニョさんの発言に共感して署名した人がこれまでに60万人を突破したとして、日本時間の19日夜、サニョさんがNGOのメンバーと会見を開きました。
この中で、サニョさんは「たくさんの人たちが連帯の気持ちを示してくれたことにとても感動している」と喜びを語ったうえで、温暖化が原因とみられる異常気象による被害などを受けた途上国を支援する新たな組織の設立について、今回の会議で合意するよう訴えていました。
環境NGOによりますと、今回、参加しているメンバーで会議の期間中、サニョさんの発言に共感してハンガーストライキを行っている人は100人以上に上るということです。

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