１１月１９日（火）　達人オススメ！　秋の上野文学散歩

今回は台東区・上野で文学ゆかりの場所を訪ねます。
大人気のあの場所が舞台になった作品から
明治の文豪が暮らした家。
そして作家が愛したスイーツまで！
とっておきのお散歩をご紹介します。

問い合わせ

【内容】読書の秋、上野駅からほど近い文学ゆかりの場所をたずねました。

【案内人】東邦大学付属高等学校　教諭　堀越正光　さん
　＊およそ２０年にわたって生徒を連れて物語のゆかりの地をたずねる
　　物語散歩を行っているほか、新聞にも連載をなさっている方です。

【作品・訪ねた場所】
☆作品：石川啄木“ふるさとの訛なつかし　停車場の人ごみの中に　そを聴きにゆく”
　　　　（『一握の砂』の中におさめられている歌）
　場所：上野駅の前の商店街（上野駅前一番街商店会）の入り口に歌碑があります

☆作品：木内昇『てのひら』
　　　　（『茗荷谷の猫』という短編集の中におさめられている作品。）
　場所：上野公園（不忍池）
　住所：東京都台東区上野公園・池之端三丁目

☆作品：野里征彦『カシオペアの風』
　場所：上野動物園
　住所：台東区上野公園９－８３

☆作品：池波正太郎『池波正太郎の銀座日記（全）』
　場所：愛玉子
　住所：東京都台東区上野桜木２－１１－８
　電話：０３－３８２１－５３７５

☆作品：森鴎外『舞姫』
　場所：水月ホテル鴎外荘
　住所：東京都台東区池之端３丁目３－２１　
　電話： ０３－３８２２－４６１１

編集後記

みなさんこんにちは！推理小説が大好きな森園です。
“読書の秋”今回は文学にゆかりの場所を訪ねる“文学散歩”をご紹介しました。

散歩をしたのは、東京・上野。しかも上野駅からそれぞれ１５分程で行ける場所ばかり。
疲れるのはイヤ・・・そんな方にもオススメです。

案内してくださったのは、文学散歩の達人！東邦大学付属高等学校の現役の国語の先生、堀越正光さん

とっても優しい話し方でわかりやすく教えてくださいました☆
撮影の合間には学校のお話しを伺うのもとても楽しかったです♪
堀越さん毎日４時に起きて出勤しているそうで、
学生時代は正直気付きませんでしたが（先生ごめんなさい！）先生方って大変なんだなと改めて思いました。

最初に訪ねたのは上野駅前の商店街の入り口に立てられている石川啄木の碑

　“ふるさとの訛なつかし　　停車場の人ごみの中に　　そを聴きにゆく”
私は郷愁を詠んだせつない歌だと思っていたのですが、
堀越さんは「ふるさとの方言をきいて前進するためのパワーをもらいたかったのではないか」
とおっしゃっていて、なるほど！と思いました。

次に向かったのは上野恩賜公園の不忍池

木内昇さんの『茗荷谷の猫』という短編集の中から『てのひら』という作品をご紹介しました。
作品の中でも主人公のお母さんが「大きな蓮だねぇ」と驚く場面があるのですが、
私も改めて驚きました！間近で見るととっても迫力があります。
さらに上野動物園へ

野里征彦さんの『カシオペアの風』という作品をご紹介しました。
作品の中で大事な場面となるパンダ舎へ。
久しぶりに見たパンダに大興奮！でした。
子供の頃両親とトントンを見に行ったことを思い出しました♪
嬉しかったな～。
お散歩の休憩に愛玉子（オーギョーチィ）という台湾のデザートが食べられるお店へ
作家の池波正太郎さんがひいきにしていたお店だそうです。

店主の長津正さんとお母さんのます子さん、とても明るく素敵なお２人に楽しく撮影をさせて頂きました。
愛玉子は台湾に自生するクワ科の植物から出来るデザート。
寒天のような食感で檸檬のかおりとほんのりとした甘さがとても美味しかったです！

最後に訪れたのは水月ホテル鴎外荘

なんと！森鴎外が実際に暮らしていた家がそのまま残されているんです！
しかもここで処女作『舞姫』を発表した貴重な場所なんですよ。

とってもきれいな女将さん。
撮影の合間にお話しをしていても、一言一言に気遣いを感じ、女性としてもとても勉強になりました。

お部屋の中で本を読むのももちろん楽しいですが、
さらに、読んだ本のゆかりの場所を訪ねてみるのも楽しいものだなと思いました。