秘密保護法案:修正合意で渡辺代表「てこの原理が働いた」

毎日新聞 2013年11月19日 21時57分

 特定秘密保護法案を巡り、みんなの党が自民、公明両党との修正合意へと突き進む姿勢を鮮明にした。みんなの党の渡辺喜美代表は19日、党役員会で「よりましな法案になっていくのは、我々のてこの原理が働いた証明だ」と訴え、渡辺氏は安倍晋三首相との個人的なパイプを誇示して存在感をアピールしてみせた。一方与党は、法案に世論の反発が根強いため「野党との合意」を求めていただけに、両者の思惑が一致した形だ。

 みんなの党は7月の参院選公約で秘密保護法制の必要性を訴えていたため、浅尾慶一郎幹事長は19日の記者会見で「我々が掲げた趣旨を少しでも実現するなら、政府案を修正するしかない。すり寄ったという認識はない」と反論した。

 秘密保護法案を巡っては、日本維新の会が12日から、最初に与党と修正協議入りした。みんなは14日に修正案をまとめ、同夜のうちに渡辺氏が安倍首相らとの会食で案を説明。翌15日には修正協議に入り、18日と合わせた2日間の協議で、計1時間ほどでスピード決着し、維新の協議を追い越した形だ。

 合意への流れをつくった首相と渡辺氏との会合について、政府高官は19日、「絶妙の日程感だった」と、みんなを取り込む画策を自賛した。

 しかし、渡辺氏は19日、国会内で記者団に「安倍内閣の改革については、自民党内部の抵抗勢力よりも、我々の方が首相の考えに近い」とうそぶいた。

 渡辺氏が首相とのパイプを強調する背景には、盤石とは言えない党内事情がある。執行部は今月7日、新党設立に向けた動きをしたとして、江田憲司前幹事長に近い井坂信彦衆院議員を事情聴取。井坂氏は「江田氏が党を追い出されたら付いていく」と語るなど、分裂の火種は依然くすぶっている。

 渡辺氏は役員会などで「てこはひび割れがあったら折れてしまう。党内一致結束を」と繰り返し呼び掛けてきた。江田氏らを「ひび割れ」にたとえ、自らは首相とのパイプと政策実現で、てこの中心であることを誇示する思惑が見え隠れする。

 首相が秘密の指定基準策定を行い、基準は閣議決定するなどとする与党とみんなの修正案に対し、民主党の松原仁国対委員長は19日の記者会見で、「まったく不十分だ。第三者がチェックするという発想がまったく乏しい」と批判。維新幹部も「みんなは何をやっているんだ。あの修正に何の意味があるんだ」と指摘した。【笈田直樹】

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